専門家に聞いた! 石油ってほんとに枯渇するの? 「50年後以上持つ」 (1/3ページ)
「あと○年で石油は枯渇する!」なんて話を聞いたことはないですか? 調べてみますと、石油ショックのころ以降、何度も繰り返しそんな話が流布したようですが、「いよいよヤバイ」とか「もう駄目!」という話はとんと聞きません。原油資源って枯渇するのでしょうか!?
JOGMEC 広報課の荒井智裕さんにお話を伺いました。
JOGMEC(独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は日本の安定的な資源確保のためにさまざまな活動を行っている組織で、その中には新たな資源探査、技術開発、民間の資源開発企業支援といった業務を含みます。
■石油はなぜ枯渇しない!?
――石油ショックのころから「○年後に石油が枯渇する」なんて話がずっとあるのですが、枯渇したという話は聞きません。これはどうなっているのでしょうか?
荒井さん 原油の需給バランスでいうと現在は供給過剰で、つまり原油はだぶついている状況です。そのため原油価格は安価です。1バレル当たり40-50ドルといった価格になっています。例えば2014年7月には1バレル100ドルを超えていたわけですから、信じられないぐらい安価になっています。
――現在、原油は余っているんですね。
荒井さん はい。で先ほどの質問に戻りますが、枯渇するといわれてきたのに枯渇しない理由は主に二つです。
●探査によって新しい油田・油井が発見されたこと
●開発、採掘技術の発達で生産性が向上していること
例えば、いわゆる「シェールオイル革命」は、新技術の開発によって今まで採取できなかったところから原油を採取できるようになった成果です。
――「シェールオイル」は大きく取り上げられましたね。
荒井さん はい。エポックメーキングな出来事でした。