アヘン戦争!メタ推理!騎兵隊!過去の「必殺スペシャル」を振り返ってみた (2/3ページ)

デイリーニュースオンライン

第3位『年忘れ必殺スペシャル 仕事人アヘン戦争へ行く 翔べ!熱気球よ香港へ』

あらすじ:アヘン戦争後、イギリスと清のアヘン商人により襲撃された役人の一家。役人は破棄しきれなかったアヘンを隠していたために拷問を受け、その末に命を落としてしまう。一方、一人逃げ出した娘は日本に渡り、仕事人に復讐を依頼。日本にまで娘を追ってきたイギリス人と中国人から逃げる途中、国定忠治や遠山金四郎に助けられ、協力を申し出た平賀源内と共に熱気球で旅立つ。さらにナポレオンと合流し、敵の襲撃を受けながらも仕事人たちは清へ上陸。アヘン商人たちを暗殺して娘の恨みを晴らした。

 かつての必殺スペシャルには歴史上の有名人を節操無くゲスト登場させる風潮がありました。しかし、国定忠治や遠山金四郎はともかく、平賀源内、さらにはナポレオンまで登場させる悪ノリっぷりが酷い。平賀源内はまだ彼の発明した熱気球で清へ行くという理由がありましたが、ナポレオンが出てきた意味は特にありません

 しかし、ヌンチャク使いの中国人を相手に平賀源内とナポレオンが肉弾戦を繰り広げる絵面の凄さは非常にボンクラ度が高く、頭がクラクラします。惜しむらくは、平賀源内とナポレオンが共に途中で戦線離脱してしまい、締めの暗殺シーンに加わらなかったことでしょうか。ナポレオンが主水や秀と並んで、夜道を歩いて暗殺に向かってたらメチャクチャ面白かったと思うんですけどね!

第2位「必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!」

あらすじ:「必殺」スペシャルの撮影中、屋根から転落し、昏睡した藤田まことだが、目が覚めると、彼は中村主水として必殺の世界にいた。その世界では、悪徳商人らが江戸随一の繁華街を作るために、殺しも辞さない悪質な地上げを行っていた。

 ただ一人、現代人の意識を持つ藤田まことは、「こういうパターン、何回やったか」と呟き、必殺シリーズのパターンから悪役の悪巧みを察知するメタ推理を見せる。だが、藤田まことの活躍も虚しく、今回のゲスト女優はお約束通り殺害されてしまい、仕事人が動き出す。悪徳商人と汚職役人の暗殺には成功するも、藤田まことは再び屋根から転落。意識を取り戻すと現代に戻っていた。

 中村主水を演じる藤田まことが、意識だけは藤田まことのまま必殺スペシャルに登場するというメタ色の強い作品。冒頭の撮影シーンで、監督が「ストーリーが陳腐」「予定調和」「ナウっぽさがない」と貶している通り、悪質な地上げと殺人、それに対する仕事人の報復など、流れ自体はテンプレの極みです。しかし、そこに現代人でありパターンを熟知している藤田まことを置くことで、テンプレどころか偉大な挑戦作へと変わっています。

 敵ボスを一目見ただけで「悪い顔しとるなあ。あれは汚職役人に決まっとる」と、演じる俳優の顔で巨悪を見抜いたり、ゲスト女優が中村主水を訪ねてきても「私は藤田まことです」と言って追い返してしまい、フラグが立たず話が進まないなど、シリーズを見慣れていれば見慣れているほど唖然とします。

 なお、今作ではアニマル・レスリー(元プロ野球投手)が唐突に助っ人の仕事人として登場し、ボールとバットを武器として使用。ボールを投げて敵を殺すだけならともかく、ボールを投げて繋がった鎖を敵の首に巻きつけ、引き寄せてからバットに付いた鎌で殺します。鎖鎌という時点でボンクラ武器なのにそれが野球仕様とか頭が悪すぎる

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