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デイリーNKジャパン

北朝鮮が「独裁国家」である限り核開発は続く

北朝鮮が6日、水素爆弾の実験を行い、成功したと明らかにした。

電撃的な実験と見られているが、昨年12月、金正恩第1書記は、「(北朝鮮が)水素爆弾の巨大な爆音を響かせることのできる強大な核保有国になることができた」と「水爆保有」について述べていた。

この時、筆者は「北朝鮮は、核兵器だろうが弾道ミサイルだろうが開発してしまう。金正恩氏に、『最終兵器』を与える愚を犯してはならない」と警鐘を鳴らしていたのだが、まさに、危惧通りの筋書きになりつつある。

北朝鮮は6日の午後0時(平壌時間)、「特別重大報道」を通じて、水素爆弾の実験に成功した政府声明を発表した。

声明では、「朝鮮労働党の戦略的決定に基づいて主体105(2016)年1月6日10時主体朝鮮の最初の水素爆弾実験が正常に行われた」と、水素爆弾の実験を行い、成功したことを明らかにした。

実際に水素爆弾だったのかどうかについては、今後の詳細な分析が待たれるが、なぜ北朝鮮は実験に踏み切ったのだろうか。その狙いについて述べる前に、金正恩氏の核開発に対する姿勢、そして対外戦略について確認しておかなければならない。

今年1月1日、金正恩氏が肉声で発表した「新年の辞」について、大手メディアは、「核に言及しなかった」と報じた。あたかも、核の優先順位が下がったというような楽観的な分析だったが、実際は「核爆弾を爆発させ、人工衛星を打ち上げたことより大きな威力で世界を震撼させ(後略)」と、核爆弾については言及している。

また、「南北関係の改善を強調している」という見方もあったが、「南朝鮮当局者は、外部勢力と結託して同族に反対する謀略騒動に固執しながら、私たちの民族内部の問題、統一問題を外部で持ち歩いて請託する行為を繰り広げています」と韓国政府を非難。とても関係改善の意思を見せているとは読み取れない。

昨年(2015年)の新年の辞では「首脳会談もできないことはない」と言及していただけに、むしろ今年は後退したと見るべきだろう。アメリカに対しても「追随勢力を押し出して反共和国『人権』謀略騒動に狂奔しました」と、人権に言及しながら、非難の矛先を向けている。

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