北朝鮮医師「インチキ療法」で摘発 (1/2ページ)

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北朝鮮医師「インチキ療法」で摘発

アフリカのタンザニアに派遣された北朝鮮の医師が、医学的根拠が不明な機器を利用して現地の患者に詐欺まがいの行為を繰り返していることから、現地の当局は取り締まりに乗り出している。

タンザニアの「シティズン」紙は、去年3月21日の別の現地紙を引用して、タンザニア食品安全庁が、首都ダル・エス・サラームでクリニックを営んでいる北朝鮮の医師に対して調査を行うことを検討していると報じた。

同紙によると、北朝鮮の医師は、現地のハーバリスト(伝統医学の医師)と共謀して、「量子共鳴磁場分析器」(Quantum Resonance magnetic analyzer、QRMA)なる機器を利用し、患者に高価な薬を売りつけたという。

QRMAとは、磁気を使って病気の有無などを検査する。機器は、中国製や北朝鮮製。医学的根拠は定かではないが、日本でもPRA療法と称して、治療に取り入れている代替医療機関が存在する。

現地の医療事情に詳しい情報筋が、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)に語ったところによると、首都ダル・エス・サラーム市内には北朝鮮経営のクリニックが4ヶ所あり、そのすべてでQMRAを使用している。医師は、血液を採取することなく、1、2分で癌、不妊、体内の毒素の状態など、ありとあらゆる病気がわかると豪語し、あたかも病気になったかのごとく診断を下して医薬品を高値で売りつけているというのだ。

「シティズン」紙の昨年12月28日付の記事によると、公立病院の医療水準が低いタンザニアでは、一時は「迷信」として退けられていた伝統医学が脚光を浴びている。伝統医学を扱うクリニックが急増しており、新聞、テレビやSNSでもPRを行っている。

この「診断と治療」は、次のように行われる。

市内のムウェンゲ地区に住むジェローム・スングラさんは、慢性の腹痛に悩まされている婚約者を伝統医学クリニックに連れて行った。医師は「この機械は中国から輸入したものだが、政府の承認を受けていないので、摘発を恐れて密かに使っている」という宣伝文句とともにQRMAによる検査を勧めた。

彼女は検査を受けることにした。

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