秋津壽男“どっち?”の健康学「二日酔い対策でのサウナは命の危険も…間違えやすいアルコールの常識教えます」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「二日酔い対策でのサウナは命の危険も…間違えやすいアルコールの常識教えます」

 そろそろ年始回りも一段した今日この頃、新年会続きで、連日の二日酔いに悩まされる方も少なくないでしょう。

 では、ここで質問です。二日酔い防止法として効果があるのは、

「酒とともに水を飲む」

「飲酒後にサウナに入る」

 のどちらでしょうか?

 答えは「酒とともに水を飲む」です。いずれの方法もアルコールをたしなむ人であれば試したことがあるのではないでしょうか。しかし「飲酒後のサウナは危険」ですので、絶対に控えてください。

 そもそも二日酔いとは、「脱水症状」のことです。お酒には利尿作用があり、摂取したアルコール以上の水分が失われます。つまり脱水症状に見舞われたからこそ、頭痛や吐き気、食欲不振などの症状に襲われるわけです。

 当然ながら、脱水症状を防止するには水分を摂取するに限ります。日本酒や焼酎とともにチェイサーを頼み、適度な量で抑えると二日酔いにはなりません。酒と水を1対1で飲めば悪酔いもしないでしょう。

 また二日酔いになるほどではないものの、前日の酒が残っている場合には、水やお茶、スポーツドリンク、味噌汁などが脱水症状を和らげてくれます。

 では、汗とともにアルコールを出そうとサウナはどうでしょう? 実は体内から出てくる水滴は単なる汗で、アルコールは含まれていません。しかも、ただでさえアルコールで脱水症状に見舞われている状況でサウナに入ってしまえば、より深刻な脱水症状を招くこととなります。命の危険にもつながりかねません。飲酒後のサウナは百害あって一利なしです。

 こうしたお話をすると、よくアルコールが好きな患者さんから「二日酔いがすぐに醒める方法はありませんか?」と質問されます。しかし、医学的には短時間でアルコールを出すことなど不可能です。二日酔いの場合はこまめに水分を補給して、酔いが醒めるのを待つほかありません。

 サウナについては、「大量に汗をかいてデトックス(体内の毒物排出)できる」と信じている方もいますが、医師の立場から言わせてもらえば、健康的に悪いことずくめです。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「二日酔い対策でのサウナは命の危険も…間違えやすいアルコールの常識教えます」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 1/21号“どっち?”の健康学秋津壽男サウナ二日酔いカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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