アメリカ・ロシアに続け! 大型ロケットや人工衛星打ち上げ……日本の宇宙開発事業が本格化

学生の窓口

日本人が宇宙飛行士に選ばれたり、皆既日食が見られたりと、最近宇宙に関する話題に事欠かなくなってきましたね。しかし宇宙開発という点で見てみると、日本はまだまだ先進国に及ばないところが多いものです。今回はそんな、日本の宇宙開発について考えてみましょう。

■平成24年度、宇宙開発費は全研究のたった1.6%だった

少し前の日本では、宇宙開発はあまりお金をかけて行われていませんでした。例えば平成24年度で見てみると、宇宙開発費は総額で約2,730億円でした。東京の新国立競技場で世間を賑わせているのとほぼ同額ですね。日本全体で、1年間でそれだけなのです。これは、研究費全体(17兆3,246億円)の内のたった1.6%にすぎません。情報通信分野が2兆4,502億円であるのと比較すると、その10分の1程度なのです。JAXA(宇宙航空研究開発機構)のことを知れば知るほど、この開発費の低さに驚くでしょう。

■大学が先行して宇宙開発に乗り出した日本

日本で宇宙開発に最初に乗り出したのは、国ではなくて大学でした。1950年代に大学の一研究班で始められ、30cmほどの小型ロケットの開発がスタートでした。そこから徐々に大きくなっていき、人工衛星を打ち上げる段階になって初めて、国も宇宙開発の機関を設置しました。その後紆余曲折を経て、2000年代に、大学での研究と国の開発機関が統合され、JAXAができました。

■日本も「宇宙基本計画」で本腰を

世界経済の中で日本の占める役割は大きいですが、宇宙開発はそうではありませんでした。そうこうする内に、新興国も続々と宇宙開発に乗り出してきています。中でも中国は2003年に有人宇宙飛行に成功、2013年には無人探査機の月面着陸にも成功しています。

日本も2015年にようやく、「宇宙基本計画」を策定しました。今後10年間で5兆円規模の開発を行い、大型ロケットや人工衛星打ち上げ、それらからの情報収集など宇宙システムの構築に乗り出すようです。完全に後れを取っているような日本ですが、国際宇宙ステーションにおける日本人の滞在時間はアメリカとロシアに次いで第3位です。日本人の気質が宇宙開発に向いていることの証明ともいえるかもしれません。

いかがでしょうか。宇宙について調べてみると、日々どんどん新しいことがわかってきていることに気付かされます。学生時代に習ったことが、今では間違っていることだってあるようですよ。たまには思いをはせてみてはいかがでしょうか。

(ファナティック)

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