清原に身の潔白を主張させつつ1200時間の追跡取材…フジテレビの報道姿勢に物議

デイリーニュースオンライン

写真は「男道」より
写真は「男道」より

 覚せい剤取締法違反(所持・使用)で逮捕された清原和博容疑者(48)をめぐるテレビ局の報道合戦が異様さを増している。各局が追跡取材映像を流す中、フジテレビは「清原容疑者追跡!1200時間」と銘打ち、覚せい剤所持“疑惑”であった頃から清原を追い続け、撮りだめしてきた映像を自信満々に連日放送している。

 サウナから出てくる清原や友人と食事をする姿など、盗撮ともとれる清原の日常風景に、「あれは注射痕を隠すために長袖を着ている」などのナレーションを添え、清原が逮捕されることを見越しての1200時間の密着映像である。

 この映像にはさすがに呆れる向きも多い。ネット上では、「追跡ってより悪質な盗撮野郎やな」「逮捕されたからいいもののキー局がやっちゃいかんでしょ」と、フジテレビの取材姿勢に批判が集中。というのも、ストーカーまがいの追跡取材をしながら、その一方でフジテレビは清原を番組で起用し続けていたからだ。この醜悪なマッチポンプはどのようにして行われていたのか。

■追跡しながらフジの人気番組に相次いで出演

 そもそも、清原容疑者の薬物疑惑が報じられたのは2014年3月「週刊文春」(文藝春秋)であった。その後、2015年8月に二度目の薬物使用疑惑報道、10月には「逮捕間近」という報道もなされた。にもかかわらず、テレビ局、とくにフジテレビは清原の起用を続けていた。

 昨年は1月16日『スポルト』、8月2日『World Baseball エンタテイメントたまッチ!』、8月28日『ダウンタウンなうSP』にも出演させている。『ダウンタウンなうSP』では、ダウンタウン浜田雅功(52)に、「おまえ、クスリやってるの?」と聞かれ、「風邪薬はやりましたけど」と完全否定していたのは記憶に新しい。

 今年に入ってから清原は逮捕直前の1月24日『ワイドナショー』にも笑顔で出演。他局と比べ起用率の高いフジに、Twitterでは『清原に薬を買う金を与えていたのはフジ』という声もある。

「2014年に亜希夫人と離婚した清原ですが、養育費支払いのため家族で住んでいた広尾の高級マンションを2億3,000万円で売っている。薬物疑惑が出てからは仕事にも窮し、お金にはかなり苦労したようです。昨年4月に『中居正広の金曜日のスマたちへ』(TBS系)でテレビ復帰をし、フジテレビをはじめ他局にも出演するようになった。出演料は一本200万円だったというから、その一部がクスリに化けたのは明白でしょう」(週刊誌記者)

■フジテレビ出演が清原を勘違いさせた?

 逮捕2週間前の1月16日、清原容疑者は「フライデー」の取材(2月4日発売号掲載)にこう答えている。

「週末になったら、息子に会える。いまはそれだけが楽しみで、それだけを支えに生きてるわ」
「去年から(CMやテレビ出演の)仕事も入ってきて」
「将来、高校、大学で教えられるように資格(元プロ野球選手のための学生野球資格回復制度)取ろうと思てんねん」

 こうして清原に「覚せい剤を辞めなくても仕事はできる」と思わせたのは、相次いで自局の人気番組に出演させたフジテレビにも責任の一端はあるのではないか。裏では覚せい剤の使用を確信して追跡取材に1200時間もの時間を費やし、その一方では人気番組に出して身の潔白を主張させるという行為は理解に苦しむものである。フジテレビの報道機関としての姿勢に批判はまぬがれないだろう。

(文/小林翼)

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