競馬界“封印されたハチャメチャ事件”を発掘スクープ(4)暴力団と関係があった中堅騎手Pに頼まれた依頼とは? (2/2ページ)

アサ芸プラス

こんな感じでいいんじゃないか』と助言したそうだよ」

 こう明かす個人馬主によれば、果たせるかな、レースは馬主のアドバイスどおりの展開で進み、Pの馬はゴール前で鋭い脚を使いながらも、みごとに馬券から消え去ったというのだ。

 これとは逆に、かつての競馬記者の中には、「ノミ屋殺し」で一儲けをたくらむ強者もいたという。

「当時、ノミ屋の多くは、レースがスタートしてもしばらくは馬券の購入を受け付けていたんです。ノミ屋ならではの、このサービスを逆手に取るんですよ」

 こう語るのは、競馬専門紙の記者として活躍した競馬サークル関係者だ。

 当時は全場の実況映像を流すグリーンチャンネルもない時代で、夏のローカル開催などはノミ屋の盲点になっていた。例えば札幌や函館の第1レースなどは、馬群が4コーナーにさしかかっても、馬券が買えたというのだ。

「ただ、それにはちょっとした、だましのテクニックが必要でね。記者たちはまず、函館なら函館の記者席にある黒電話でノミ屋に電話を入れ、ダブル開催されている主場の第1レースの買いをゆっくりと入れる。そうこうしているうちに、函館の第1レースがスタート。馬群が直線に入ったところで、『函館の第1レース、まだ買えるよね』とノミ屋に水を向けるんです」(前出・競馬サークル関係者)

 多くの場合、ノミ屋は主場のラジオ実況しか気にしていない。そこで、うかつにも函館1レースの買いを受けてしまうのだ。

 しかも函館は直線が平坦で短く、4コーナーで先団にいる馬が、ほぼそのままゴールインすることが多い。記者席から態勢を見極めた記者たちは購入金額を急に増やしたうえで、的中確実の目に買いを入れていたのだ。

「発走時間のタイムラグを利用したトリックで、怖いくらい当たったね。ただこの手口は、1つのノミ屋で1回だけしか使えない。だから、みんなノミ屋を次々に変えていた」(別の競馬サークル関係者)

 裏では騎手顔負けの駆け引きが展開されていたのである。

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