清原容疑者は西武時代に甘やかされた?球界大御所たちの”キヨハラ論”|プチ鹿島コラム

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西武時代の清原は腫れ物のような扱いだった
西武時代の清原は腫れ物のような扱いだった

 清原和博容疑者の逮捕の件。ここにきて「そもそも新人時代から甘やかしすぎた」という論調の記事を多く見かける。たとえば『清原事件の教訓 新人時代に甘やかすな』(「夕刊フジ・2月6日付)。当時の絶対権力者・堤オーナーの秘蔵っ子になった清原に対してみんな腫れ物扱いだったと書く。

 堤オーナーの清原の寵愛ぶりは「日刊ゲンダイ」も書いていた。『清原 コクド会長室のあぐら伝説』(2月8日付)である。西武関係者からしたら「いやいや、ウチの責任かよ」とたまったものではないと思うが、なかには清原問題をめぐり、相変わらず場外乱闘をしている人もいるからたまらない。

■清原容疑者は西武時代に甘やかされていた?

 最高だったのは「週刊朝日」(2月19日号)だ。清原事件について野球界の大御所たちのコメントが載っているのだけど、広岡達朗氏(元西武ライオンズ監督)は当時の監督が悪いと「予想通りに」指摘しているのです。

《コーチを責めるよりも、やっぱり監督だね。清原は高校を卒業してドラフト1位で西武に入った。当時の森(祇晶)監督は野球は教えたけど、社会人としての常識を教えなかった。親ができなかったことを球団が教えないといけなかった。森監督がしっかりしていれば、清原はタイトルを取ってますよ。》とし、《僕が西武の監督だったころに入団していたらよかったが》と見事に当てこすっている。

 蜜月だった後に袂を分かった「広岡対森」の関係性を知っている野球ファンなら「まだやってる!」とニヤニヤしてしまう部分である。そしてこの人も参戦。野村克也氏である。

《清原が西武1年目か2年目のときに、俺は森(祇晶・元西武監督)に言ったんだよ。清原は野球に対する思想、哲学が何もない奴だ、天性だけでやっている。お前が悪い。ちゃんと教育しろって。野球の指導はコーチがやる。監督の仕事で大事なのは人間教育、社会教育ですよ。》

 広岡、野村、森。永遠のライバル関係ここに。今さら責められている森祇晶氏だが、「週刊文春」(2月18日号)の鷲田康氏のコラムでは「清原にとって森氏は最大の理解者だった」と書かれていて面目を保った感。あと一歩で消滅した「1998年の巨人・森監督」がもし実現していたら《清原の巨人での野球人生もまた、異なるものとなっていたのかもしれない。》とも。「歴史のif」だなぁ。

 それにしても、清原の件ひとつにとってもまだ当てこすり合う大御所の元気さが面白かったです。

著者プロフィール

putikashima

お笑い芸人(オフィス北野所属)

プチ鹿島

時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。

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