【ニッポン隠れ里奇譚】カミサマと呼ばれた悪魔が宿った呪い村=大分県N集落 (1/3ページ)

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【ニッポン隠れ里奇譚】カミサマと呼ばれた悪魔が宿った呪い村=大分県N集落
【ニッポン隠れ里奇譚】カミサマと呼ばれた悪魔が宿った呪い村=大分県N集落

 まだ廃村にはなっていない。人のぬくもりがまだかすかに残っている。そんな村や里を、僕は"隠里"と呼んでいる。

 今から十年余り前のこと。大分県の温泉で有名な山間の町の片隅にひっそりとあり続けるNという集落を訪ねた。

 このNという集落には、かつて"カミサマ"と人々に崇められた、ある若い女が住んでいた。僕は、その女の不思議な生い立ちと、その女が引き起こしたあまりにも奇妙で、奇っ怪な事件のことを、大分市の大学図書館で知った。それでわざわざ訪ねてみようと思ったのだ。

 行ってみると、実にあっさりとしたものだった。かつての事件から数十年の歳月が流れ、その集落はあまりにものどかな、郊外の閑静な住宅地となっていた。

http://n-knuckles.com/discover/img/kakure02.JPG

▲現在の村

 その時、僕はちょっと残念に思った。不謹慎にも。多くの親族や地元の人を巻き込んだ、猟奇的な残虐殺人の起きた集落なのだから、もはや荒れ果てた村になっているのではないかと勝手に思いこんでいたからだ。

 しかし、現地で地元の人にちょっと話しかけてみて、残念と思ってしまった自分の浅はかさを恥じた。表面的にはあっさりした風景の奥底に、恐ろしい過去はいまだにその傷口をあらわに、今も残存していたからだ。背筋がぞくっとした。

 昭和23年初頭、カミサマがこの村に住む女の元に降りてきたという。そして、この女は次々と奇跡を起こした。

 祈祷を行って、周囲の人の病を次々と治してしまったのだ。まず家族や親族が信者になった。ついで近所の人たちも次々と信者と化していった。医者のいない当時の寒村では、貴重な存在となった。

 そして、事件が起きたのは昭和23年5月のこと。カミサマの名前はナミヨ(24)。そして、殺害された哀れな犠牲者は、ナミヨの従姉妹のハツヨ(20)で、殺害当時胎児をそのお腹に宿していた。ハツヨはつわりのような痛みや違和感に悩んでいて、うっかりナミヨにその悩みを相談してしまった。

「アタイが治してあげるよ」と、安請け合いしたナミヨ。

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