秋津壽男“どっち?”の健康学「“うがい”と“手洗い”の予防効果に大差あり “水で擦って流す”ことで細菌を除去せよ!」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「“うがい”と“手洗い”の予防効果に大差あり “水で擦って流す”ことで細菌を除去せよ!」

 働き盛りの世代にとって風邪やインフルエンザは大敵ですが、今回は予防についてお話しします。

 そこで質問です。風邪の予防で「うがい薬でのうがい」と「石鹸での手洗い」は、どちらのほうがより効果があるでしょうか?

 多くの方は「口腔とのどを経由して感染する病気だから、洗浄・殺菌すればいいに違いない」と、うがい薬で風邪対策は万全と勘違いしています。

 実際、のどの痛みや違和感をうがい薬の爽快感で紛らわせる効果はありますが、予防策としては適切とは言えません。研究結果でも「水うがい」「うがい薬でのうがい」「何もしない」という3つの予防策を試してみたところ、うがい薬の効果はほとんどないことも証明されています。あくまでも気分転換の一環であると割り切ってください。

 また、うがい薬には殺菌効果がある商品もありますが、口の中には、善玉菌と悪玉菌が混じっており、悪玉菌だけでなく、善玉菌まで殺菌してしまうおそれがあります。

 まず、うがいは水で十分と覚えておいてください。そのうえで、口内環境を損なうことなく、より予防効果を求めるのであれば、塩水をオススメします。塩の濃度は涙や鼻水と同じぐらいの塩っ辛さであれば十分ですので、ひとつまみの塩分を水に入れてください。

 さらに塩水以上にいいのが「お茶うがい」です。お茶の中に入っているカテキンには抗菌力があります。また、沸騰させたお湯を注ぎますので、お茶の中に雑菌がほとんどありません。出がらしのお茶にひとつまみの塩を入れた「塩番茶うがい」だと、効果も増します。

 お茶の殺菌効果は、うがいに限らず、飲むだけでも期待できます。1杯のお茶を20~30回かけてチビチビ飲むように、お茶で口や口内を「濡らす」のも予防効果は抜群です。医師の中には「患者さんを一人診るごとにお茶を舐める」ことを風邪の予防策にしている人もいるほどで、ペットボトルでお茶を持ち歩き、マメに口腔内を濡らすのは効果があります。

 まとめますと、効果のある順番に「お茶・塩水・水・うがい薬」となります。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「“うがい”と“手洗い”の予防効果に大差あり “水で擦って流す”ことで細菌を除去せよ!」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 2/25号“どっち?”の健康学秋津壽男マスクインフルエンザカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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