覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されて取り調べを受けている元プロ野球選手・清原和博容疑者（48）の"ラーメン屋開業プラン"について2月29日、夕刊フジが報道した。この社会復帰案について非難や皮肉の声が高まっている。

■突如浮上した”ラーメン屋開業プラン”

　プロ野球界で活躍していた当時は、コワモテの顔とアメリカ・シアトルで行なった肉体改造による筋肉隆々の肉体で、"番長"と称された清原。2月2日に覚せい剤を所持していたとして逮捕され、さらに尿から使用反応が出たことで、使用疑惑により再逮捕された。

　そんな清原に意外な社会復帰プランが浮上している。事情通である関係者が「清原容疑者が罪を償って娑婆に出てきたら、ラーメン店をさせようか、という話が出ている（夕刊フジ「【堕ちた薬物番長】清原容疑者、社会復帰はラーメン店主!?　支援者が“仰天プラン”」より）」というのだ。覚せい剤に手を染めてイメージが失墜し、テレビや野球関係の仕事を得るのは非常に難しい状況だけに現実味はある。

「かつて億単位で稼いだ清原の金銭感覚で、堅気の商売に我慢できるのか不透明。それこそ社会復帰の意思が試されるでしょう」（報道関係者）

　この報道に対して、さっそく「食品は扱ってほしくない」「店主の汗が入るとやみつきになりそう（使用者は汗に覚せい剤成分が混じる）」などと非難や皮肉が吹き荒れている。

　過去に覚せい剤絡みで逮捕されて社会復帰を果たした芸能人は少なくない。2009年1月には小向美奈子（2015年2月に同容疑で再逮捕）、2009年8月には酒井法子、そして2014年5月には「CHAGE and ASKA」のASKAなど有名人が相次いで捕まっている。芸能界復帰を果たした者もいるが、パチンコ営業やアダルト業界入りなどのケースも少なくなく、以前と全く同じ表舞台に完全復帰を果たすのは難しい。

　そのなかでも社会復帰の一番の成功例は、1999年8月に同容疑で逮捕されたミュージシャンの槇原敬之だろうか。槇原は1年半の懲役の有罪判決を受けたが、復帰後は音楽活動に邁進し、2003年にはSMAPに『世界に一つだけの花』を提供して大成功。その後も順調に活動を続け、ファンの信頼をほぼ完全に回復させている。

　野球界では、江夏豊がかつて1993年に覚せい剤で逮捕されて懲役2年4ヶ月の実刑判決を受けたが、野球解説者として復帰し、現在は阪神タイガースで2軍春季キャンプの臨時コーチをつとめている。しかしこれは稀有な例であり、薬物使用をとくに嫌っているスポーツ業界であるだけに、よほどの実績を積み重ねないかぎり、球界の仕事にたずさわるのは厳しいかもしれない。

　だからこそのラーメン屋開業プランだが、事あるごとに"粗暴さ"を報道されてきた清原に客商売がつとまるのだろうか。

「子分の元木がかつてラーメン屋にチャレンジして失敗しています。もし清原がお店に立つとなれば、心ないお客さんからヤジが飛ぶのは必至です。精神的にお遍路参りよりキツイ修行となるかもしれません。また、覚せい剤を大量に使用すると頬がヒドくこけたり湿疹などが出たりします。警視庁の調べでは、清原は常習者の7倍の覚せい剤反応が出ていたと言われるだけに、将来は人前に出られるような顔なのか未知数ですね」（同上）

　今やミシュランの一つ星を獲得する店まで現れたラーメン業界。格安で提供するお店から待ち時間が数時間に及ぶ味が絶品のお店まで乱立しており、業界はいわば飽和状態。社会復帰後の"番長ラーメン"にニーズはあるのだろうか?

橘カイト（たちばな・かいと）

1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。実話誌や週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相！禁忌都市伝説』（ミリオン出版）ほか多数。