金正恩氏が朝鮮総連を「道連れ」に走る破滅への道 (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

金正恩氏が朝鮮総連を「道連れ」に走る破滅への道

北朝鮮の核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射に対する日本政府の独自制裁の一環として、許宗萬(ホ・ジョンマン)議長をはじめ在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)の幹部ら22人が、訪朝時の再入国禁止の対象になったという。この人々は制裁が続く限り、北朝鮮に渡れば日本に戻ってくることができない。

朝鮮総連はしばらくの間、本国の重要行事や会議に主要幹部を送ることができなくなったわけだ。

とはいえ、それが北朝鮮への圧力として作用するかどうかは疑問だ。実際のところ北朝鮮は、かつてほど朝鮮総連を重視していない。何しろ許宗萬議長本人が2014年9月に8年ぶりに訪朝した際、金正恩第1書記と面会してもらえずガッカリしたとのエピソードが伝わっているほどだ。

朝鮮総連は往時に比べ、その力を大きく落としている。

法務省は去る11日、昨年末時点で日本で暮らす在留外国人の数を発表。従来、朝鮮半島出身者やその子孫らについて「韓国・朝鮮」とまとめてきた表記を改め、韓国籍は45万7772人、朝鮮籍が3万3939人と分けて発表した。

ここでいう朝鮮籍は、北朝鮮国籍とイコールではない。朝鮮籍とは、1945年の敗戦直後、まだ韓国も北朝鮮も存在していなかった時点で、日本政府が「朝鮮民族出身者」というほどの意味で付与した記号のようなものなのである。

その後、韓国建国後にも韓国籍に直さず、また日本国籍も取得しなかった人々が、現在も朝鮮籍を保持しているわけだ。だから、そういった人々は必ずしも北朝鮮を支持しているわけではないし、朝鮮総連のメンバーであるわけでもない。

だが、朝鮮籍を保持している人も、その大部分の郷里(ルーツ)は韓国にある。それでも敢えて韓国籍に直さないのは、かつての韓国軍事政権に対する反感や、あるいは北朝鮮に対するシンパシーなど、政治的な信条が理由となっているケースは少なくない。つまりざっくり言って、朝鮮籍保持者の数と朝鮮総連の組織力に連関があると見るのは間違いではないのだ。

これまで、法務省が朝鮮籍保持者の正確な人数を公開したのは1970年のデータまでだったのだが、その時点では実に29万人の朝鮮籍保持者がいた。

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