最新の痴漢冤罪対策は?"行列"弁護士たちの「走って逃げろ」が物議

デイリーニュースオンライン

最新の痴漢冤罪対策は?"行列"弁護士たちの「走って逃げろ」が物議
最新の痴漢冤罪対策は?"行列"弁護士たちの「走って逃げろ」が物議

 3月20日放送のバラエティ番組「行列のできる法律相談所」(日本テレビ系)で、「痴漢していないのに間違えられたときの対処法」として、同番組の弁護士たちが「全速力で走って逃げろ」「無視しろ」とアドバイスしたところ、放送後に物議をかもしている。

■痴漢冤罪は逃げるが勝ちなのか?

 最強弁護士軍団が、法的な解釈をもとに、様々なケースについて意見を述べる「行列のできる法律相談所」。今回は番組後半に、お笑いトリオ・パンサーの実体験を交えながら、痴漢冤罪について最善の対処法を議論した。

 その結果、なんと4人中3人の男性弁護士が、現場から立ち去ることをオススメ。北村晴男弁護士は、「本当にやっていないなら立ち去る。逮捕される前に全速力で走って逃げる」のが良いと回答。菊池幸夫弁護士は「真相解明に協力する義務すらない」と語気を強め、本村健太郎弁護士は「事件に巻き込まれてしまうことが一番怖い。やましいことがあるから逃げるのではない。自分にふりかかろうとしているとんでもない災難から逃げるのだ」と力説している。

 唯一、「弁護士に連絡を」とアドバイスした大渕愛子弁護士は、痴漢されたと主張する相手に捕まったケースを想定して意見。もしも羽交い締めされたときに乱暴に振り払ったら「暴行罪になる可能性がある」と解説した。だからこそ捕まったら、事件化しないように「最小限の力で振り払わなければならない」と北村弁護士が補足したが、戸惑いを隠せない様子の番組出演者らからは「(最小限で振り払うというのは)難しい」などとツッコミが飛んでいた。

 放送後、紹介された痴漢冤罪対処法が突飛とも思えるアドバイスだっただけに、ネット上で多くの物議をかもしている。

 SNSや女性向けのネット掲示板などでは、「もし逃げても捕まったらもっと最悪な結果になるんじゃないの」「女子を信用しちゃう世の中だから冤罪が起きる」「車両増やして防犯カメラ付けりゃいい」「実際に痴漢がいるのが問題なんだからきっぱり男女別にすべき!」と様々な意見が入り乱れている。しかし今のところ、弁護士軍団以上の現実的な解決策は乏しい。

 男性とおぼしきユーザーの一人は「痴漢冤罪に会わないで生きていけたらいいな…」とタメ息をもらす始末。たしかに、逃げるのがほぼ唯一に近い有効策だというなら、痴漢冤罪の状況に遭遇したくない。

「痴漢冤罪をテーマにした映画『それでもボクはやってない』が公開されたときも、"怖い映画だ"と物議をかもしました。この映画は2007年の作品ですが、9年経った今でも良い解決法は見つかっておらず、難しい社会問題であることに変わりはないですね」(報道関係者)

 それにしても、2016年の最新の対処法が"「それでもボクはやってない」と弁明するより早く逃げろ"なのだから、どうにも後味が悪そうだ。男女ともに安心して電車に乗れる社会が実現するのは、まだまだ遠い将来なのかもしれない。

文・海保真一(かいほ・しんいち)
※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。実週刊誌などで執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。
「最新の痴漢冤罪対策は?"行列"弁護士たちの「走って逃げろ」が物議」のページです。デイリーニュースオンラインは、行列のできる法律相談所痴漢冤罪法律エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る

人気キーワード一覧