山田涼介に生田斗真…若手ジャニーズが映画業界で重宝される背景

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Photo by rkramer62
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 マンガ・アニメの実写化は「こけるのが当たり前」という風潮がある。しかし、そんな常識を打ち破ったのがHey! Say! JUMPの山田涼介(22)主演の映画『暗殺教室~卒業編』。興行収入は順調に伸びており、前編の27億円を越える勢いだ。

 振り返れば昨年、大失敗と言われた『映画版 進撃の巨人』でさえ、前後編合わせて50億円の興行収入を記録した。あれだけ酷評された映画であっても、黒字であった目算が高い。世間的になんと言われようが、マンガ・アニメ原作は映画業界にとってまさにドル箱。そして、そのドル箱を補強する要素としてジャニーズがいるのである。

■映画界のドル箱にジャニーズを加える意味とは?

 山下智久主演の『あしたのジョー』、Kis-My-Ft2藤ヶ谷太輔の『劇場版 仮面ティーチャー』、生田斗真の『土竜の唄』、Sexy Zone中島健人の『銀の匙 Silver Spoon』……実例は枚挙にいとまがない。映画関係者によれば、これは一種の保険だという。

「原作物はすでにファンがついているので集客が見込め、シナリオも流用できるから制作がスムーズ。一方で熱心なファンからネガキャンを張られやすい。そこでジャニーズの登場です。なにせ、購買力が桁違い。作品のできが悪くても、ソフト化した際にジャニーズファンは彼らが出演しているだけで購入してくれる。映画業界にとってジャニーズは救いの神です」

 確かに申し分ない戦略だ。若手ジャニーズの起用が目立ってきたのにも、こういった背景があるのは間違いない。だか、副作用がないわけではない。

「肝心の演技力が追いつかない。V6・岡田准一、嵐・二宮和也、生田斗真など、ジャニーズでも高い演技力を誇る役者はいますが、若手はまだまだ。『MARS~ただ、君を愛してる~』の主演を務めるKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔なんかはジャニーズでは演技がうまいと定評があるものの、“ジャニーズとしては”での話。演技の質が低下すれば、作品の質は当然下がります。また、事務所のチェックも厳しいので、きわどいシーンは撮れない面もある。収益は見込めるものの、がんじがらめの作品になって、下手をしたら主演ジャニーズのPVと化すことも。日本映画のスキル向上が止まってしまう懸念はある」

 いいことずくめとは行かない、マンガ原作のジャニーズ多用事情。それでも今後、量産化は止まらないだろう。

文・橘カイト(たちばな・かいと)
※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。
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