ボクシングトレーナー井上真吾「父親として、してあげられることは何でもしてあげたい」~子を想う人間力 (1/2ページ)

日刊大衆

ボクシングトレーナー井上真吾「父親として、してあげられることは何でもしてあげたい」~子を想う人間力

 息子の尚弥と拓真が、ボクシングを始めたのは、15年前。それから、兄・尚弥がWBC世界ライトフライ級、WBO世界スーパーフライ級の2階級を制覇して、弟・拓真が東洋太平洋スーパーフライ級のベルトを巻くまで、妻と娘を含め井上家5人でやってきました。

 当初は、アマチュアでしたが、自分のボクサーとしての練習が、一番にあったので、そこに子どもたちがくっついて来ているという感じでした。ただ、中学、高校と大きくなるにつれ、徐々に子どもたちのためのトレーニングになっていきましたね。ボクサーとしての経験があったので、何をやったら強くなれるのかっていうことは常々考えていました。それを子どもたちのトレーニングに取り入れて、坂道の車を押させたり、天井から吊るした縄を登らせたりしていましたね。

 高校生にもなれば、反抗期もあったんじゃないかってよく言われるんですけど、そんなことはなかったんですよ。僕は何かあったら、絶対に子どもの味方でいたいと思っていますし、子どもが考えていることをしっかり聞いてあげれば、反抗期なんてないと思うんですよね。そもそも、僕は子どもの頃から大人が嫌いなんですよ。そうした思いを持ったまま大人になったんです。もちろん、すべての大人が嫌いというわけではないんですけど、子どもの考えを聞かずに、頭ごなしに怒ったり、自分の機嫌で怒りをぶつける大人っていっぱいいるじゃないですか。なんだよ大人って、とずっと思っていたんですよ。僕は、しっかりと育った人間じゃなかった。小さい頃に両親が離婚して、学校にもろくすっぽ行ってなかったし、勉強も全然できませんでしたから。大人の社会というものに対する反発心が強かったんでしょうね。

 でも、そのぶん、社会で負けたくはないっていう思いが、すごい強かったんですよ。負けないためには、自分で全部やるしかない。だから、二十歳で塗装業の会社を起こした時も、周囲は猛反対したんですけど、恐くはなかったし、大変だなんて思ったことはなかったですね。もう、やるって決めた以上は、失敗できないわけですから、やるしかないんです。人の倍やらなければ、認められないって思っていましたし、仕事をしてお金を稼げれば、学校に行ってようがいまいが、関係ないと自分に言い聞かせて、とことん突き詰めて、仕事をしていましたね。

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