秋津壽男“どっち?”の健康学「薬物だけじゃない“依存症”の恐怖 ギャンブル依存は一種の鬱症状だった」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「薬物だけじゃない“依存症”の恐怖 ギャンブル依存は一種の鬱症状だった」

 元プロ野球選手の清原和博氏の逮捕は、大きな衝撃を世間にもたらしました。あれほどのスーパースターが常習的に使用して、やがてやめられなくなる。依存症はかくも怖いものだと満天下に知らしめました。

 医学的にも、依存症の中でも清原容疑者が使用していたものは非常に恐ろしい薬物です。アルコールやニコチンなどと比べても中毒になるまでに1カ月もあれば十分です。アルコールやニコチンはすぐに中毒にはなりませんが、それほど覚醒剤の魔力は人間を短期間にむしばんでしまうのです。

 しかし考えてみますと、現代社会は「依存症社会」と言っても過言ではありません。覚醒剤のような違法なものもさることながら、アルコール、ニコチン、カフェイン、セックス、ギャンブル、買い物、インターネット、ゲーム、ホスト、過食など多岐にわたります。

 依存症には、中枢神経に作用して快感を得る「薬物依存」と、特定の行動で気分がよくなる「行動依存」に大別できます。いずれも快楽物質であるドーパミンの放出により刺激を得るため、依存症につながります。

 では、ここで質問です。はたしてギャンブル依存症とアルコール依存症を比べた時、治療が難しいのはどちらでしょう?

 まずギャンブル依存症の場合、始めた頃の勝利が強烈なインパクトを残すほどハマります。いわゆる「ビギナーズラック」です。これにより、人は他人とは違う優越感を味わえます。

 普通の人はダービーや有馬記念を楽しむだけで我慢できますが、中毒者になると、土曜の1レースから日曜の最終レースまで買い続け、平日は競輪や競艇に足を運ぶようになりますが、ここまでいくとかなりの重症と言っていいでしょう。

 実は、こうした行動パターンは、女性に多い「買い物依存症」にも当てはまります。

 奥さんや愛人に高級品をプレゼントすると、一種の満足感を得ますし、ブランド品の時計や高級車など「自分に贅沢」と思えるモノを買うとスキッとするのも自分が大きくなったような錯覚を覚えるからです。そんな錯覚が病みつきになると、買い物で得られる幸福感を追い求め、今日のランチ代がなくなろうとおかまいなしで買い物に依存しまくります。

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