秋津壽男“どっち?”の健康学「老人の足腰を鍛える効果があった!? 和式トイレが健康維持に役立つ理由」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「老人の足腰を鍛える効果があった!? 和式トイレが健康維持に役立つ理由」

 4月を迎え新年度となりました。街を歩く新入社員の姿を見かけますと、身が引き締まる思いがします。皆さんの中には、転勤や心機一転で引っ越しをされた方も多いのではないでしょうか? 今回は住まいの中でも健康チェックに欠かせない「トイレ」について、お話ししたいと思います。

 総務省のデータによれば、平成20年の時点で、日本の住宅に占める洋式トイレの保有率は9割だそうです。今や和式は昔からの住宅や古い公衆トイレでしか目にしなくなり「過去の遺物」となりつつあります。

 しかし、和式にはいくつかのメリットがあるのも事実です。ではここで質問です。健康寿命を延ばすのに役立つのは、和式トイレと洋式トイレのどちらでしょう?

 まず、和式トイレの最大のメリットは、用を足した際に、自分の尿や便を確認できることです。「大便は大きな便り、小便は小さな便り。どちらも体からのシグナル」と言われています。体内から排出される尿や便は、健康状態を確認するバロメーターでもあります。常日頃から大小便の形状や色、ニオイを確かめることは、自身の体の異変を知るうえで非常に大切です。当然ながら、和式のほうが便のチェックには適しています。洋式では便が水の中に入ってしまうため、便の状態がわかりにくくなります。

 もう一つ、あまり指摘されないことですが、かがむスタイルを毎朝するため足腰が鍛えられ、年齢を重ねても足腰が衰えません。ほんの20年前までは和式が主流だったため、今の高齢者は足腰が丈夫です。類人猿がいずれも和式スタイルでしゃがんで用を足すとおり、人間も本来は和式で排便をすべきかもしれません。今後、洋式に慣れた子供たちが高齢者になった時、恐らく現代の老人よりも足腰は弱くなるでしょう。寝たきりになる人も今より増えると思います。

 さらに付け加えれば、肥満は和式の大敵です。先日、タレントの内山信二さんがテレビ番組の収録で、和式トイレにしゃがもうとしたところ、座れませんでした。しゃがんだ時の重心がつかめなくなるのです。こうしたケースを考えると、自分が肥満かどうか知ることもできます。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「老人の足腰を鍛える効果があった!? 和式トイレが健康維持に役立つ理由」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 4/21号“どっち?”の健康学秋津壽男トイレカルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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