今こそ振り返りたい、「いすゞ」のクルマたち~セダン・クーペ・SUV・ワゴン編~ (1/4ページ)
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さて前回は「いすゞ」という自動車メーカーと、コンパクトカーの歴史を主に振り返ってきました。今回はその後編として、ミドルクラスのセダンやSUV、ワゴン車の歴史を見ていきましょう。
いずれも名車揃い、ファンにはたまらないクルマたちばかりです。
■3つの顔を持つクルマ「フローリアン」photo by wikipediaトヨタ・コロナや日産・ブルーバードなどのミドルクラスへの対抗策として企画されたクルマが、フローリアンです。
最初期モデルのデザインは、イタリアの名門カロッツェリアであるギア社にて行われました。背が高いデザインながらも、全体的にはまとまりの良いボディとなっています。
途中2度のマイナーチェンジを経て、15年もの長きにわたり販売されました。それぞれ前期型、中期型、後期型と呼ばれますが、同じクルマとは思えないほどに顔つきが異なっています。
特に後期型はそのルックスから「和製ロールス・ロイス」とも呼ばれています。
■流麗なフォルムが特徴的な「117クーペ」photo by wikipediaフローリアンと時を同じく生み出されたクルマが、117クーペです。このクルマもギア社によりデザインされており、実はフローリアンとは兄弟車の関係にあるのです。
技術的に注目すべき点は、日本で初めてエンジンに電子燃料噴射装置(ボッシュ製Dジェトロニック方式)が採用されたことです。このエンジンの設計にはデザイナーも関わっていたこともあり、見た目も非常に美しく仕上がっているのが特徴です。また、国産クーペとしては初めてディーゼルエンジンが搭載されたのもこのクルマです。
初期型はプロトタイプのデザインを忠実に再現すべく、ほぼ手作業で生産されていました。このモデルは「ハンドメイド」と呼ばれ、今でも高値で取引きされています。