嵐の”熊本応援CM”に込められたジャニーズ事務所の決意

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「事務所の顔」の交代を示唆する声も(※写真はイメージです)
「事務所の顔」の交代を示唆する声も(※写真はイメージです)

 5月1日、熊本日日新聞のテレビ欄には「こんな時だからこそ熊日と熊本の民放4局は一つになって『ふるさと』を元気にする応援メッセージを放送します。今夜8時53分~54分見てください」と、くまもんのイラストとともに告知された。

 そしてテレビに映ったのは、地震により被害を受けた熊本を応援する嵐の姿だった。この熊本応援CMは大きな話題となり、同日放送の『Mr.サンデー』(フジテレビ系)ではトップニュースとして伝えられる。

「このサプライズ演出が実現した経緯は、熊本出身の放送作家・小山薫堂氏(51)の発案。2010年の『NHK紅白歌合戦』で嵐の特別企画のために作詞した『ふるさと』という曲を使ってなにかできないか? とジャニーズ事務所に相談して、実現したそうです」(スポーツ紙記者)

 放送直後から反響はすさまじかった。「家族で見ました。本当に感動しました」「力が一気にわいてきた。余震なんかに負けずやっていけそうな気がします」といった感謝の言葉がtwitterで上がり、被災者を元気づけることができたようだ。

■応援メッセージに隠された”意思表明”

 しかし、ジャニーズファンの中には、「なぜ嵐?」という声もある。『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)では、東日本大震災への義援金をSMAPが折に触れ呼びかけており、復興支援をこれまで継続的に行ってきた。もちろん、熊本地震への義援金もSMAPが同番組でいち早く受け付けている。

「嵐の起用は、小山氏のつながりで始まったプロジェクトであることが一番の理由でしょう。とはいえ、この申し出は世代交代の重要な局面を迎えるジャニーズ事務所には渡りに船だった。嵐を起用した背景には、ジャニーズ事務所として大きな決意が感じられます」

 と語るのは、テレビ局関係者だ。彼が言う“大きな決意”とは、5月4日にジャニー喜多川社長(84)が「SMAPは解散しない」と明言したことにも関係があると明かす。

「被災地などへの社会貢献は、事務所のトップタレントが顔になるのが当然です。つまり、今回の応援メッセージに嵐が登場したことは、『ジャニーズ事務所のトップは嵐である』という意思表示とも受け取れます。これから長期間かかる震災復興の顔として、嵐を立てていくという決意ですね。その意味で今回の応援CMは時代が変わった瞬間なのかもしれない。今までSMAPについて語らなかったジャニー喜多川社長が、このタイミングでSMAPについて解散しないと明言したことは“嵐推進派”との調整ではないか」(前出・関係者)

 ジャニーズ事務所のトップをひた走り、事務所を背負ってきたSMAP。解散はしないと事務所社長が明言したが、それは、世代交代が起き、嵐が実質的にトップに立ったことを意味しているのかもしれない。

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)
※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。
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