次世代を担うクルマと燃料はど~なるか予想してみた!

イキなクルマで

次世代を担うクルマと燃料はど~なるか予想してみた!
次世代を担うクルマと燃料はど~なるか予想してみた!

いま、路上を走っているクルマの多くはガソリンか軽油を燃料にしています。なかには、タクシーに代表されるようにLPガスを使っているクルマもありますが、ほとんどのクルマがガソリンか軽油を使っていると考えて間違いないでしょう。

最近のクルマは、安全性を高めるため、そして快適性も同時に向上させるために大型化しています。ですが、その一方でテクノロジーの進化もいちじるしく、軽量化や電子化などによって燃費は向上しています。

それでも、環境を守るためには、もっと燃費をよくさせる必要があるわけですね。そこで、各自動車メーカーは、ガソリンや軽油以外の燃料でクルマを走らせることも、以前より検討していると……。

■まず知っておきたい、エコカーとはなんぞや?

どんな燃料で走るか?ということに密接にかかわってくるのが、エコカーの種類です。

そもそも、エコカーと呼ばれているクルマ達ですが、そこに厳密な定義はありません。従来のクルマと比較して、新たなテクノロジーによって燃費を向上させているクルマ全体をエコカーと呼ぶことが多い。

みなさんが、まず最初に思いうかべるであろうクルマは、おそらくハイブリッド車ではないでしょうか?

これは、エンジンをやや小さくして、そのかわりにモーターとバッテリーを積んでいます。エンジンのパワーとモーターの力を合わせて使うことで燃費を稼いでいるわけですね。

そして、そのハイブリッド車にさらに大きめのバッテリーを載せたクルマがプラグイン・ハイブリッド車

このクルマの特徴は、基本的にはハイブリッド車と同じ走行ができますが、自宅などで電源からバッテリーに充電することで、約30kmくらいの距離を電気自動車として走行できる点。近所への買い物や、近場への通勤などでは、ガソリンを1滴も使わずに走れるわけですね。

続いて、メジャーなのは電気自動車でしょうか!?

その名のとおり、エンジンは積んでおらず、自宅や公共施設、パーキングなどに設置された充電器からバッテリーに充電して、モーターでクルマを走らせます。モーターだけで走るため、排気ガスは出ません。

最近の注目株は、クリーン・ディーゼル車でしょう。軽油を燃料にして走るディーゼル・エンジン搭載車両です。

欧州では昔から一般的な存在でしたが、最近になって日本でもブームとなっています。特徴は、ターボ技術が洗練されているため非常に力強い走りをみせる一方で、最近のクルマは騒音や振動とも無縁で、燃費が優れているという点。また、軽油は燃料代が安いというメリットもあります。

最後は、燃料電池車

遂に、市販化された燃料電池車は、文字通り燃料電池を積んでいるところが最大のトピック。水素を充填し、燃料電池によって水素から電気を取り出します。結果的に、排出されるのは、水だけ。生みだされた電気でモーターを駆動させて電気自動車のように走ります。

いま、世の中を走っているエコカーはだいたいこの程度です。そうすると、今後、使われる燃料もだいたい想像ができてくるのではないでしょうか?

■それぞれのエコカーのメリット&デメリットって?

エコカーには、けっこういっぱい種類があるんです。でも、それぞれに得意分野と苦手なトコがあるんですね。

ハイブリッド車は、もっとも便利でお手軽です。

というのも、いままで使ってきた一般的なガソリン車と同じ感覚のまま乗れるからです。同じようにのって、ガソリンスタンドで給油するだけで、誰でも燃費がよくなる。

ただし、長い目で見たときに、ハイブリッドシステムは過渡的な技術となる可能性が高いのも事実です。例えば、画期的なガソリンエンジンのテクノロジーが開発された場合や、すべての自動車がモーターで走る方向にシフトした場合、ハイブリッドシステムは不要になります。

また、混雑した都市部ではハイブリッドシステムは最大限の効率を発揮しますが、かなり改善されたとはいえ、高速走行時ではモーターの介入する時間が短くて燃費にあまり貢献できません

日本がハイブリッド技術において世界を牽引する存在で、欧州は開発自体に本腰を入れてこなかったのも、そういった使用環境の差があるのかもしれないですね。

プラグイン・ハイブリッド車にも、ハイブリッド車とまったく同じことがあてはまる上に、このクルマでは、バッテリーが大きく重たいというデメリットを抱えています。

確かに、燃料を使わずに近距離移動をできるという利点はあるのですが、車重が重たいためガソリンで走行する際は不利。さらに、新車価格が上がっていることを考えると、電気のみで相当の距離を走らないと元がとれない可能性があります。

電気自動車のメリットは、経済性の高さ排気ガスを出さないという点ですね。

加えて、静かでシットリとした乗り心地と、強力な加速。まず、電気は家庭及び公共機関やパーキングで充電でき、外出先では場合によっては無料で充電可能な場所もありますから経済性に優れています。モーターは排ガスを出しませんから、環境汚染も最小限。

エンジンのようにガソリンを爆発させることなく力を得るモーターは静かでスムーズですし、電気を流した瞬間から最大の力を発揮する特性なのでとっても力強く瞬発力ある走りを披露してくれます。

ものすごく大量に搭載されたバッテリーは、非常に重たいのですが、クルマは重たいと安定感あるドッシリと落ち着いた乗り味となります。

しかし、一部の高級電気自動車を除いて、大きな問題となるのは航続距離の短さです。

みなさんが使っているスマートフォンやノートパソコンもそうですが、現状でもっとも効率がよいバッテリーはリチウムイオンバッテリーです。そして、それにかわる効率のバッテリーは研究段階でも発見されていません。そうなると、電気自動車では大量にバッテリーを積み込むしかありません。それでも、長距離を走ることは難しいんですね。

そして、電気を大量に消費する装備はなんだと思いますか?ヒーター、冷房、オーディオなど、快適装備の類いです。

さらに、もし電気がなくなって止まってしまうと(電欠)、レッカーでは運べず、車載して運搬するしかありません。一般的な乗用車タイプの電気自動車が満充電で抱えているエネルギー量は、ガソリン乗用車でいえばおよそ10リッターのガソリンにも満たない程度です。

クリーン・ディーゼルはというと、最近のモデルは排気ガスをよりクリーンにするために尿素(人間の尿に含まれています)を排気管の中に噴霧しているケースが多いですね。

photo by トヨタ自動車WEBサイト

当然、黒煙なんか吹きませんし、都市部の幹線道路といった、非常に空気が汚れている場所では、外気よりもクリーン・ディーゼルが吐きだす排ガスの方がクリーンだともいわれています。

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと比較すると、あまり高回転まで回るユニットではありません。そのかわり、ごく低回転から強力な力を発揮します。

そのため街中でも高速道路でも運転が非常に楽ですし、燃費も優れています。ディーゼル・ハイブリッドという、ディーゼルエンジンにモーターを組み合わせたモデルも登場していますので、今後の展開にさらに期待がもてそう。

しかし、基本的にはガソリンエンジンと同様に、内燃機関には違わないので、石油ベースの燃料を燃やして走る以上、石油の枯渇問題CO2排出の問題がネック。

もっとも未来的な燃料電池車ですが、このクルマはまだ公道を走りはじめたばかり。

水素を充填さえしてやれば、モーターの発生させる力で走行が可能。つまり、電気自動車のメリットである静かで力強い走行フィールと、ガソリンやクリーン・ディーゼル車と同等かそれ以上の連続航続距離を達成しています。しかも、クルマが排出するのは無害な水。

一方で、問題となるのは、現状では一般に普及していませんから1台あたりのコストが高く、車両価格にも当然反映されています。そして、水素をどこで充填するのか?というのも悩みどころ。水素ステーションはごく限られた拠点しかありません。

クルマ自体も、まったく新しい技術を搭載したモデルですので、ポテンシャルが未知数であるのと同様に、なにが生じるかも不透明。あらゆる意味で先駆者なのですね。

■使う燃料から占うクルマの将来とは?

どの種類のクルマが生き残るのか?

それには、さまざまな意見が飛びかっていますが、燃料という側面から判断するのもおもしろいでしょう。

というのも、ガソリンや軽油を使うクルマは、将来的には排除されて、電気が主流となるという一般的な認識が果たしてそう言いきれるのだろうか?という見方もできるからです。

ポイントは、クルマだけを見ずに、もっと視野を広げることです。「木を見て森を見ず」におちいっては仕方がないわけで……。

話がそれてしまいますが、われわれ日本人は、誰しも少なからずコンビニの恩恵を受けているのではないでしょうか?24時間営業で、たいていのモノは手に入る。便利なコト至極。しかも、全国どこにいってもあって、ありがたい存在です。

しかし、欧州の人々はそんな私達の生活を冷たいまなざしで見ています。「そんなに24時間営業している店が大切なのか」と。

そのために、搬入のトラックが軽油を使いまくり排ガスをまき散らす。照明にエアコン、冷蔵庫や調理機器は電気を消費する。環境破壊と、いち個人の利便性とどっちが大切なのか?彼らは、週に1度か2度、クルマで大型店舗に買い出しに行き、大量に食材などを買うのが一般的なのだそうです。

どちらが正解か!?そういう話しではないと思いますが、いち日本人として考えさせられました。

なにが言いたかったかというと、排気ガスを出さないから環境に優しいのか?といったらそうではない!ということです。

例えば、電気自動車の場合。電気をどうやって作っているのかを考えればすぐにわかります。確かに、メガソーラーや風力、潮力などのクリーンエネルギーもありますが、それは全体でいえばわずかな割合にしかなっていません。

発電のために使われる一次エネルギーの内訳(photo by 東京ガス)

依然として、火力が占める割合は大きいのです。火力に用いているのは、現在はコークスが主流です。つまり、化石燃料ですね。ガソリンや軽油と変わらないわけです。 となれば、大量にCO2を排出しているわけです。

燃料電池に入れる水素にしても、その生成過程で水を電気分解していますから、やはり電気を使っています。つまり、クルマ単体ではクリーンかもしれませんが、その前段階が問題なんです。

ガソリンやクリーン・ディーゼルの場合は、燃費向上技術の進化により、以前と比べてかなり効率があがりました。そして、排気ガスのクリーンさは比べものになりません。

燃費がよくなっていますから、CO2排出量も減っています。ですが、もっともっと減らさなければならないでしょう。CO2排出量が地球温暖化に影響するといわれている以上、これは急務です。

そして、もうひとつは石油の枯渇問題です。一時は、向こう30年で埋蔵量は尽きるともいわれていましたが、これには諸説あってなんともよくわかりません。

ですが、現在ではバイオフューエル(バイオ燃料)の実現もかなり濃厚となってきました。これは、藻などの植物から燃料を作る方法で、その植物自体がCO2を吸収するためかなり合理的な仕組みです。

植物からガソリンや軽油が作れて、しかもCO2まで軽減できたとしたら、どうです? 理想的でしょ!

そうなってくると、いったいどの種類のクルマが残るんでしょう……。

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