初公判直前・清原和博 、関係者が語った「悲痛な素顔」
5月17日に初公判を迎える、薬物にまみれた“堕ちたスター”。まだ知られていない真の姿を本誌は独占キャッチした――。
3月17日に保釈されてから、はや1か月以上が経過――。元プロ野球界の大スター、清原和博被告(48)は今、どうしているのか。「保釈直後は糖尿病の治療のためと称して千葉県内の病院に入院していましたが、現在は都内の病院に移っているようです。薬物の後遺症か、うつっぽい状態が続いているといいますが、5月17日の初公判に向けて更生への意欲を示すため、絞った体を披露しようと筋トレに勤しんでいるという話も出てきています」(スポーツ紙記者)
そんな最中の4月18日、公判に心情面で悪影響を与えそうな記事が『週刊現代』に掲載された。昨年後半、プロ野球・巨人軍選手による野球賭博問題が発覚。その際、PL学園時代の後輩・立浪和義氏の関与説も一部報道で浮上した(立浪氏は一切の関与を否定)。その件で動いていた複数の週刊誌記事のもみ消しに、当の清原被告が動いていたことを物語る「27分間の密談テープ」がスッパ抜かれたのだ。「そのテープ内での清原の発言は、後輩の立浪を本当に心配してのこと。また、もみ消しの話は清原が持ちかけたのではなく、あくまで知人側が売り込んだもので、それに、その話は結局まとまってない」(事情通)
ただし、その知人というのは『週刊現代』の記事によれば反社会的組織の関係者。おまけに、今年1月に薬物所持で捕まっており、「薬物仲間」との見方もあると紹介されているのだ。実は本誌も、この知人=A氏(40代)に、彼が勾留中からコンタクトを取っていた。そして、保釈後のこの4月、関西に飛びA氏、さらに他にも清原被告と面識を持つ複数の関係者に取材することに成功した。結果、入手できた、まだ世に出ていない“堕ちた番長”の素顔とは――!?
4月7日午後。大阪市の某ホテルで本誌記者はA氏を直撃。約3時間半にわたって話を聞くことができた。
――あなたが清原被告と面識を持つに至った経緯は。
「私は、後に組織的詐欺事件に発展する会社(被害総額約260億円。主犯は懲役18年の実刑で現在、服役中)で、高級外車の販売責任者をやっていたんです。そこに“ロールスロイスファントムを探している”と、清原氏は客として現われたんです。今から8年ほど前、清原氏がオリックスの選手時代のことです」(A氏=以下同)
――その出会いから、あなたが、清原被告や彼の仲間の女性問題などをもみ消す役割になっていった経緯は。
「清原氏と出会った当日は雨でした。神戸の倉庫に在庫がなく、車で別倉庫まで案内したんですが、清原氏が車から降りる際、私は先回りし、自分は傘をささず清原氏用の傘を開いて待っていたんです。そうした態度が気に入られたのか、いきなり、“付き人を月100万円でやらないか”と言われたんです。ですが、私は断りました。というのも、“街で清原! と声かけられると頭に来るときがある。そのとき、どついてくれ!”なんて言われて。そんな体張ってじゃ、割に合わないですから」
断ったにもかかわらずA氏のもとにはほどなく清原被告から電話があり、その後、A氏は、清原被告が神戸界隈でプライベートで飲む際のボディガード兼飲み仲間になったという。当時、A氏は筋トレに励み、110キロの巨体。また、A氏は反社会的組織に属したことはないが、30名からの元不良の部下がいたという。
――もみ消しの具体的なエピソードを教えてください。
「清原氏の携帯の留守電を聞かせてもらったら、一晩相手をしたという女性からで、彼に100万円を要求する内容でした。女性は、清原氏が関係した他の女のことも知っていると。それで私が電話を入れ、“神戸○○の○や。調べんか!”と言って、それで解決ですわ。私、神戸ではよく(その関係者の間で)知られた存在でしたから」
――清原被告の仲間や関係者のもみ消しも頼まれたことがあるんですよね。
「あります。B(プロ野球界の現役スター選手)ですね。Bの場合は、相手女性が現場写真まで持っているとのことでした。それで、示談書の下書きまで私が作成しました。後から聞いたことですが、相手女性に渡した100万円は清原氏が負担してあげていたんです」
――あなたから見て、彼の素顔はどんな感じですか。
「私は清原氏より少し年下ですが、全然偉そうな態度はありません。たとえば車に同乗したとき、運転手がミスしても“ええよ、ええよ”と笑っていましたね」
――清原被告の金銭状態は、どうだったのでしょう。
「一晩飲みに行けば50~100万円はかかっていたと思いますが、私は一銭も出したことはありません。ただ、オリックス時代は、すでにかなり経済的に落ちていたと思うんです。最初会った日、4200万円の車両を案内したんですが、“おたくのCMに出るから安くなんないかな!?”と条件交渉されましたね(結果的に購入はしなかった)」
清原被告は車が本当に好きだったようで、当時のメールアドレスの一部には、「bentley(ベントレー)」が使われていたという。そして、清原被告はA氏と出会ってほどない、まだオリックスに在籍時に、すでに薬物の影響かと思われる驚愕事件を神戸のバーで起こしていたという。
「あれは秋口でした。清原氏の同級生がやっているバーで飲んでいたときのことです。トイレに行くというので、私はおしぼり持ってトイレの出口で待機していました。すると、ドアを開けたままトイレに入った清原氏が急に振り向き、こちらに向けてジャーと。飛び退いて私にはかかりませんでしたが、最初から最後まで、すべて店の床に……」
その前に行ったクラブで高級ワイン「オーパス」を5本、さらに、そのバーでシャンパン5本を空け、相当酔っ払っていたとはいえ、ありえないこと。今から思えば薬物の影響のようにも思えると、A氏は言う。
本誌は、この現場に居合わせた女性を神戸・三宮で発見。彼女にも話を聞くことができた。「私が気づいたときには、トイレの中からではなく、カウンターの外側から中に向けてしていました。当時、店には10人ぐらい一般のお客さんもいたんですが、誰も文句を言う方はいませんでした。というのも、その前から清原さんは相当荒れていましたから。私は、清原さんから現金が入ったサイン入りの祝儀袋をいただいたんですが、“(祝儀袋)もらったんやから飲め!”と強要され、断ると顔にお酒をかけられたんです。正直、なんて人なんだろうと思いましたね」
こうした蛮行に加えて、その晩、ベンツで女性をお持ち帰りした清原被告は、さらに耳を疑うような発言をしていたという。クラブ関係者は明かす。「清原が“前のクラブのママにクスリを仕込まれた!”“おかげで(放尿して)恥かかせられた!”と言っていたんです」 前述の「27分間の密談テープ」には清原被告の「(オレ)○○(組織名)ともめているんですよね……」という発言があるが、そのような発言が飛び出す背景には、薬物特有の被害妄想としか考えられないフシがあったというのだ。
さらに、地元の事情通からはこんな話も飛び出した。「その事件の後、クラブに清原が因縁をつけたことが結構噂になったんです。自業自得なのに、清原は密接交際が囁かれる別の組織を使って、そのクラブ側に嫌がらせをしようとしたようで。そのことが、彼がかの組織に頼る契機になったといいます」 今回、この他にも、清原被告と反社会的組織との接点を物語る重大証言を得ることができた。彼の元恋人・C子さんに関してのことだ。
まずは、不動産関係者のこの証言を聞いていただこう。「清原がまだ西武時代のことやけど、ワシ、東京・六本木のクラブで土下座していたところを目撃したことがあるで。相手は当時、闇カジノを仕切っていたDや。清原は、当時は今とは別の組織と懇意で、クラブでは大股開いて座って大きな態度しとったから、たしなめられたんやろうな」 本誌の取材によると、清原がC子さんとつきあっていたのは西武ライオンズ時代。C子さんは六本木の反社会的組織御用達で有名だったクラブママで、清原はその店の客として出入りし一目ぼれ。その後、彼女は清原が土下座したD氏と結婚。だが、その後も清原とC子さんは交流があったことが確認できた。
さて、話をA氏の証言に戻そう。話は薬物に関することに至る。「昨年10月、立浪氏の件で久々に清原氏に連絡を取ったとき(“密談テープ”時)は、私もおかしい、と思いました。出会った頃と違い、呂律が回っていない。それから、会話の間がおかしい。イッて(薬物で意識が混濁して)、すぐ電話して来たのかなあと……」
さらにA氏は、前出の清原被告の元恋人・C子さんとも交流があったそうで、こんな興味深い証言もしてくれた。「C子は、“清原は10代から精神安定剤を服用している”と言っていました。同様に、清原氏は私にも、“(精神安定剤が)やめられへん”と言ってました。精神安定剤は大量に飲んだり、酒と混ざると、酩酊状態になり、まっすぐ歩けない状態になるんです。意識がぶっ飛ぶこともある。ところが、薬物をやると、それを打ち消してくれるんです。それで手を出したのかもしれませんね……」
堕ちた番長の怪しげな話の数々。だが、取材の最後にA氏は、こう語った。「B(前出の現役スター選手)の件といい、立浪氏の件といい、清原氏にとっては他人事ですよね。なのに、彼は本気で心配していました。また、清原氏は私と出会った直後、“自分は巨人に愛着がある”と語り、巨人の選手に女性トラブルが起これば、それが誰であっても処理してほしいと、私に依頼したこともありました。そして、その際の金は自分がすべて出すからと。さすがに、それには俠気を感じましたね」
A氏にそう嘆願した彼は、「野球界で穢れるのは、俺だけでええんや」とでも思っていたのだろうか……。約65%といわれる薬物使用者の高い再犯率。それを考えると、長年薬物に溺れていた清原被告が更生するのは極めて難しい。だが、その茨だらけの険しい道をなんとか歩き抜いてほしいと思うのは、本誌の楽観的に過ぎる願いなのか。