三菱自動車の不祥事…連日話題の「燃費改ざん問題」全容に迫る (1/3ページ)
フォルクスワーゲンの排ガス規制不正行為に続いて世間を賑わせている、三菱自動車の燃費改ざん問題。自動車業界では、ここのところ環境性能に関する詐称が続発しています。
これらの事件が続発する背景には、一体どのような事情が潜んでいるのでしょう?自動車業界の激化する燃費競争について迫っていきます。
■不祥事続発の三菱自動車大きな事件となった大型トラックのリコール隠しから、ダーティなイメージが浸透してしまった三菱自動車。今回の事件は組織ぐるみの燃費性能改ざんと、根の深い問題となっているようです。
当初は燃費改ざんの対象車種は軽自動車のみとなっていましたが、三菱の売れ線であるSUV勢、特に大人気のアウトランダーやそのPHEVまでもが対象となっていたのは衝撃的でした。
現在、小型車から大型車まで各メーカーが熾烈な燃費競争を繰り広げており、リッターあたりの走行距離は年々伸びています。
そんな中、フォルクスワーゲンや三菱自動車の不正は、自動車業界全体に不信感という名の暗雲をもたらしてしまいました。
事件の背景には、いったい何があったのでしょうか?その背景に迫るには、まずは燃費性能の計測方法について知る必要があるかもしれません。
■カタログ燃費を算出する仕組みとは?そもそも、カタログ上で明示されている燃費はどうやって計測されているのでしょう?
普段はあまり気にすることのないカタログ燃費ですが、そこに間違いがないと思ってしまうと、痛い目に遭うかもしれません。
というのも、カタログによく表示される10・15走行モードというのは、自動車の実際の走行シーンとはかけ離れたものだからです。
計測には「シャシダイ」と呼ばれる巨大なローラー上に自動車全体を乗せて走行させるので、特殊な環境下で行うことになります。