最大の戦犯はフジ?”低視聴率男”福山雅治がブランド失墜で岐路に
6月13日に最終回を迎えた福山雅治(47)主演の月9ドラマ『ラヴソング』(フジテレビ系)が全話平均視聴率8.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の「月9史上最低視聴率」を記録してしまったことが業界内に波紋を広げている。”視聴率が取れる男”といわれていた福山雅治の結婚後初の主演作だったが、これをきっかけに「福山雅治がオワコン化する」と危惧されているのだ。
■数字を取れる男がまさか…独身女性ファン離れが影響?
同作は福山が夢破れた元プロミュージシャンで臨床心理士の主人公・神代広平を演じ、オーディションで約100人の中から選ばれた演技未経験のシンガーソングライター・藤原さくら(20)をヒロインに抜擢。音楽を通じて二人が心を通わせるヒューマン&ラブストーリーだった。藤原は福山と同じ大手音楽系事務所に所属しており、放送前から「ヒロインが事務所のバーター」「オーディションは出来レース」などと揶揄され、先行きが不安視されていた。
その不安は見事に的中。初回から平均視聴率10.6%と寂しい立ち上がりとなり、以降は一度も二桁に乗せられないまま第6話・第7話で月9史上最低の6.8%を記録。低空飛行が続いて最終回も9.3%にとどまり、月9ワースト視聴率につながってしまった。この最大の戦犯として真っ先に挙げられたのが主演を務めた福山だ。といっても演技力が問題というわけではない。
「いくら福山さんが若々しさを保っているといっても現実的にはアラフィフです。弱冠20歳の藤原さんとのバランスが取れず、視聴者からは『親子に見える』『恋愛関係として見るのは厳しい』といった声が上がっていました。また、福山さんは結婚直後だったために女性ファン離れが発生。もう月9のような直球の恋愛ドラマでの主演は難しく、”イケメン俳優”としての旬は過ぎたとの見方が強まっています」(芸能関係者)
福山の絶対的な人気を支えてきたのは独身女性ファンだった。年齢的な問題に加えて、やはり結婚が大打撃になってしまったのだろうか。
■月9ワーストでオワコン化の声…戦犯はフジとの指摘も
だが、その一方で「むしろ福山は被害者」との意見もある。
「とにかく脚本とストーリー展開がヒドく、耐えきれずに途中で見限ってしまった視聴者が多い。当初は藤原演じるヒロインの”吃音”の治療が物語の中核となり、親友の結婚式でスピーチをすることが大きな目標として描かれた。ところが、途中から喉に悪性腫瘍が見つかって、そちらの治療がメインになるという散漫でグダグダな展開でした。終盤は異常なスピード展開で、最後まで回収されなかった伏線も多く、人物設定や脚本が破綻していた感が否めません。また、藤原は思った以上に高い演技力を発揮していましたが、いかんせん知名度不足。これでは誰が主演しても視聴率は取れなかったでしょう」(テレビ誌編集者)
ドラマ内容でも出演者でも数字を稼げないなかで、結婚直後の福山ひとりに頼りきりとなれば、「月9ワースト」は当然の結果だったといえるのかもしれない。
「様々な失敗要因がありますが、とりあえず主演に人気者を据えておけば視聴率を稼げるとカン違いしたままのフジテレビが最大の戦犯でしょう。時代錯誤な上層部と世間のズレが露呈したに過ぎません。たまたま福山の主演でワースト記録が出てしまいましたが、そもそも月9は誰がやっても失敗続き。いまだにトレンディドラマ時代の感覚で作品を作っているフジでは視聴者の心をつかむのは難しい。今作の失敗で『月9ブランドが傷ついた』という声がありますが、むしろ看板を傷つけられたのは福山の方かもしれません」(前同)
フジの無策が根本にあったとはいえ、福山のブランド価値が急落してしまった印象は否めない。このまま本当にオワコン化してしまうのか、大ヒット作『ガリレオ』(同)のような作品を再び生み出すのか、大きな分岐点となりそうだ。
- 文・佐藤勇馬
- ※個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など多数。