北朝鮮シンパのスペイン人男性が武器取引で逮捕…北の公務員の肩書も (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

北朝鮮シンパのスペイン人男性が武器取引で逮捕…北の公務員の肩書も

日本には、北朝鮮の文化をこよなく愛する北朝鮮マニア、俗にいう「チョソン・クラスタ」と称される人々がいる。ところが、北朝鮮から遠く離れたスペインに、チョソン・クラスタを遙かに越える北朝鮮シンパが存在した。

しかも、この人物、武器の違法取引に関わった容疑で逮捕されていた。一体何者なのか。

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スペインのエル・ムンド氏によると、「北朝鮮初の外国人公務員」とも称されるのは、アレハンドロ・カオ・デ・ベノス氏。ベノス氏が北朝鮮の公務員と呼ばれる所以は、彼が北朝鮮の対外文化連絡委員会の特使と、スペインの朝鮮親善協会の委員長を務めているからのようだ。

ベノス氏は、朝鮮一(チョ・ソニル)という朝鮮名を持ち、1年の半分を平壌で過ごし、海外からの訪問団や投資の誘致を行っていた。海外メディアの取材にも積極的に応じ、北朝鮮の体制を擁護する発言を続けてきた。

ところが、ベノス氏は、武器の違法取引に関わった容疑でスペイン当局に逮捕された。スペインの治安警備隊は、武器密売組織に対する全国的な摘発作戦を行い、ベノス氏の自宅から銃火器を発見し、本人と42歳のルームメイト、ムルシア在住の武器密売組織の中心人物など、12人が逮捕された。武器の違法取引が、北朝鮮と関連したものであるかは明らかになっていない。

貴族の末裔

さらに驚かされるのは、ベノス氏が貴族の末裔らしきこと。エル・ムンド紙によると、ベノス氏は、自らの家柄に反発し、極左思想に傾倒。いつしか、北朝鮮へのシンパシーへとつながっていったという。

日朝両国は、国交こそないものの、長きにわたって政治・文化的に交流していることから、チョソン・クラスタのような好事家が生まれてくる土壌はある。ただし、北朝鮮とスペインは2001年に国交を結んで、まだ15年しか経っていない。それにもかかわらず、ベノス氏ほど北朝鮮の思想に染まり、金正恩体制に忠誠心を持つ人物は極めて珍しいだろう。

ベノス氏が、金正恩体制に骨の髄まで忠誠心を持つ一方、北朝鮮体制に見切りをつけて逃げ出す国民もいる。

北朝鮮は、世界各国で外貨稼ぎのため、合法非合法問わず様々なビジネスを行っている。

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