【プロ野球】25年ぶりの優勝に現実味…広島カープファンの不安とは? (2/2ページ)

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■1996年大失速の原因は主力と控えの差

 それまでの試合で4番を張った江藤が8月29日に負傷離脱。その直後の戦績は、11勝13敗。なんとか5分に近いところで我慢できた。しかし、熾烈な首位争いを繰り広げた9月15日から最終戦までの戦績は3勝11敗。勝負どころで大きくつまずいてしまった。

 江藤の穴を埋める控え選手がいなかったことが、優勝を逃した要因だ。

 一方今季は、6月15日に主砲・エルドレッドがケガで離脱するも、即座にルナが1軍昇格。元々併用されていた松山、新井らとともに出場を分け合い、それぞれが好成績を残した。エルドレッドの穴を十分に埋めたのだ。

 6月の11連勝中、エルドレッドが出場したのは最初の3試合のみ。主砲抜きで大型連勝をやってのけたことが、今季の層の厚さを物語っている。

■総合力は今季が上!

 今季の強さの要因は、控えの層の厚さだけに限らない。田中、菊池による12球団屈指の二遊間など、守備力の高さも威力を発揮している。1996年は、衰えのみえる二塁手・正田と、ケガを抱えた遊撃手・野村という苦しい二遊間だった。守備力の差は歴然といえるだろう。

 投手に目を移してみよう。1996年はチーム防御率4.08。今季はここまでリーグ2位の3.42。安定した先発3本柱に、力のあるリリーフ陣が整っている。

 このように1996年と今季は明らかに違う。1996年の広島は「打撃のチーム」。今季は「総合力のチーム」といっていいだろう。主力を失った打撃のチームはもろいが、総合力のチームは全体でカバーし合える。今年の方がはるかに強い気がしてならない。

 1996年についてもうひとつ触れると、激しく追い上げるヒーロー・長嶋茂雄率いる巨人を、メディアと国民が一体となって強く後押した。今季はそういった向かい風は皆無。それも優勝への後押しとなるだろう。

 めったにない優勝争いに、とまどっているのか? はたまた卑屈になりがちなファンの気質がそうさせるのか? 何かと「メークドラマ」の悪夢がよみがえり、不安を煽られてしまう。だが、広島ファンの皆さん、安心してください。今年のカープはきっとやってくれますよ。

文=井上智博(いのうえ・ともひろ)

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