奴隷扱いされる北朝鮮の派遣労働者たち…人権侵害追及にEUも乗り出す (1/2ページ)

デイリーNKジャパン

奴隷扱いされる北朝鮮の派遣労働者たち…人権侵害追及にEUも乗り出す

北朝鮮のせい惨な人権侵害の実態は、おおよそ明らかになっている。見過ごせないのは国内だけでなく海外に派遣される労働者にも及んでいることだ。

強制売春や逃げればリンチのケースも

海外に派遣された多くの労働者は劣悪な環境での仕事を強いられ、移動、通信も制限され、厳しい監視のもとで暮らしている。時には、1日に20時間もの長時間労働を強いられ、休みは月に1~2日しか与えられない。

仮に職場から逃亡すれば、本人のみならず、北朝鮮に残してきた家族に制裁が加えられる。また、現場から逃げ出そうとした労働者が、まるで米国の奴隷制度のもとで黒人奴隷に行われていたような凄惨な私刑(リンチ)を受けている。

女性もまた、海外の労働現場で苦痛を強いられている。外貨獲得の柱の一つでもある北朝鮮レストランは通常業務もかなりハードだが、それに加えて本国から要求される厳しい売上ノルマのため、「売春」強要などの虐待を受けるケースもあるという。

しかし、こうした派遣労働者に対する人権侵害についても、国際社会がようやく本格的に動き出した。

韓国の聯合ニュースによると欧州連合(EU)欧州委員会は20日(現地時間)、欧州の一部の国で、北朝鮮労働者に対する強制労働など人権侵害にかかわる法違反があるかを把握するため、当事国と接触しているという。仮にEU関連法に違反していることが明らかになれば、制裁の可能性があるとのことだ。つまり、欧州内の北朝鮮派遣労働者に対する人権侵害の真相把握に着手したのだ。

すでに、オランダ出身の欧州議会議員は、欧州委員会に提出した質疑書で、北朝鮮派遣労働者を現代版の奴隷だと指摘するなど、北朝鮮派遣労働者に対する人権侵害の実態解明に向けた動きは活発化しつつある。

こうした動きは歓迎すべきだが、欲を言えば、中国国内における脱北者の人権問題についても切り込んでほしい。

性犯罪の標的になる少女たち

派遣労働者と脱北者の人権問題は、関連性がないように見られるが、決してそうではない。

米国務省が先月末に発表した人身売買に関する年次報告書によると、北朝鮮は、14年連続で最悪の人身売買国として評価された。

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