政府の労働政策の切り札”プレミアムフライデー”の謎|やまもといちろうコラム (2/2ページ)

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■現実味のない施策

 また、経団連にしても、これを見て「おお、素晴らしい。金曜みんなが休めば経済効果が上がるはずだ。よし、プレミアムフライデーだ」「ですよねー」みたいなことを本気で考えているとしたら、明らかに集団催眠にかかってる状態だと思うんですよ、引田天功ですよ。早い時間に正社員が帰るようにして、そこにイベントを仕込んで消費喚起でって、追い込み漁みたいな話じゃないですか。どうしてこう、本来なら頭のいい人が集まっているはずの組織が出してくるアイデアって、全体的に馬鹿を煮詰めたような内容になってしまうのでしょう。

 日本の経済の問題点というのは、もちろんお金を稼いでいる層がお金を使いやすい勤労形態になっていないというところはあるのでしょうが、それは然るべき給料をしっかり払い、企業として労働時間を法定内で管理するようにしながら、なおそれでも足りないならプレミアムフライデーも考えるかってレベルだと思うんですよね。むしろ、金曜午後に激甚需要があったら、結局は無用な出勤やシフトを強いられる飲食店勤務などサービス業の負担になるだけでしょう。本来は、何曜日だろうが平準に休めるようにするべきで、需要を集中させることではないはずですが、どうなんでしょうか。

 なにぶん、政府や経団連が言っていることですから、彼らが率先して「超過勤務にならないようなマネジメントを貫徹できる組織にしよう」とか「労使一体となって、最低賃金の引き上げをしながら柔軟な雇用制度を実現しよう」みたいな話にはならないのは仕方ないと思います。彼ら自身が、成り立ちからして労働法違反上等でやってきたところはあるでしょうから。また、彼らの見えている先は正規雇用であって、この施策でしわ寄せのいくサービス業の負担は全く考えておらず、それならば育児しやすいような時短勤務や育休を男女平等に制定すればプレミアムフライデーよりみんな喜ぶだろとは思わないのでしょう。 

 年間60兆の個人需要喚起を狙って金曜半ドンにしよう、という発想が凄いですよ、これは。もしも私がどこかの勤め人だったら、金曜15時から副業入れてもっと儲けようとするんでしょうけどね。あーあ。

著者プロフィール

やまもといちろうのジャーナル放談

ブロガー/個人投資家

やまもといちろう

慶應義塾大学卒業。会社経営の傍ら、作家、ブロガーとしても活躍。著書に『ネット右翼の矛盾 憂国が招く「亡国」』(宝島社新書)など多数

公式サイト/やまもといちろうBLOG(ブログ)

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