【プロ野球】今年は福原忍(阪神)が槍玉に。現役を続けるか、華々しく最後を飾るか ~揺れ動く心~ (1/2ページ)
8月31日。
“超変革”を掲げた阪神タイガースのリーグ優勝の可能性が消えた。
もちろん、チームとしては終戦というわけではなく、残り19試合を全力で戦うことが使命として残されているし、クライマックスシリーズ進出の可能性だってある。
しかし、こういう時期だからこそ、阪神を囲むマスコミ各社は競って来季の戦力の選定作業に入るのが決まりごとだ。同時に球団はその対応に追われる。
今年槍玉に挙げられたのが、セットアッパーとして期待されながらも本来の調子を出せず、4月早々にファームに降格した福原忍だった。報道では8月27日、阪神首脳による編成会議で来季の戦力外が決定したというのだ。
福原自身は、「球団からは何も聞いてない」と、自らの進退を明らかにはしなかったが、「他球団でも現役を続けたい」と、報じたメディアもあった。
人気球団とはいえ、シーズン半ばで進退を憶測で報じられては、選手はたまったものではない。
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■引退を覆し、代打の神様へ
過去には憶測記事が、逆に選手を発奮させ、その後のシーズンに好結果を生み出したケースもある。
「桧山引退!」
2007年、クライマックスシリーズ第1戦を終えた翌朝、名古屋駅ホームで私はスポーツ新聞1面の強烈なタイトルを見て、驚愕したのを今でも覚えている。
この年、阪神はナゴヤドームでのクライマックスシリーズに2連敗。力の差は歴然としており、完敗だった。
槍玉に挙げられた桧山進次郎は、2006年、2007年と2年連続で絶不調な状態で、確かに引退が噂されてはいた。
しかし、なぜこのタイミングで?
某スポーツ紙がシーズン中から出すタイミングを見計らっていたのであろうが、これがとんだ勇み足となってしまった。さすがにこの報道には球団からお咎めが入ったと聞く。
実際桧山がこの時期、引退をほのめかしていたかどうかは不明だが、逆にこの“すっぱ抜き”が、桧山を発奮させたのは確かなようだ。
翌年2008年は94試合に出場、121打席で打率3割を残したからだ。「代打の神様」と呼ばれだしたのもこの年からだろう。