組織を補強するジェルで、慢性的な心臓病が克服できるかも! (1/2ページ)

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組織を補強するジェルで、慢性的な心臓病が克服できるかも!

日本人の死因ナンバーワンは悪性新生物(がん)だが、2番目には心疾患が来る。そして、いちど心臓発作を乗り越えても、そこで受けたダメージにより慢性的な心臓病に悩まされることも多くなるという。

アメリカでも心疾患が深刻な問題であることは同じようだが、開胸手術をせずに心疾患を治療するユニークなジェルの研究が発表された。アメリカ化学会(ACS)のウェブサイトで紹介されている。


■ 心臓発作の後遺症で慢性的な心臓疾患に

心臓発作のあいだ、血栓や細くなった動脈が血液の流れをブロックし、組織のなかの細胞を傷つけたり殺したりする。そのダメージは、心臓発作の苦しみが終わってもなくなるものではなく、心臓の壁が薄くなったり、器官が肥大したり、組織がダメージを受けたりした後遺症に悩まされることになる。倦怠感や息切れといったものだ。

生活習慣の改善、薬物療法、機器の埋め込みや心臓移植まで、さまざまな治療法があるが、かならずしも効果を発揮するとは限らないし、そもそも心臓移植のようにそう簡単には受けられないものもある。そこで、研究者たちはほかの治療法を模索してきた。

そのなかには、動物実験において、ダメージを受けた心臓の部位に細胞を注射して、ダメージを治癒させようという試みもあった。その際、注入する細胞が漏れ出さないように、細胞を生分解性のハイドロジェルで包んで注射した。

ところが、科学者たちは奇妙な事実に気づいた。意図的に、胞を加えないでハイドロジェルだけを注射したときにも、心臓疾患が改善したケースがあったのだ。


■ 開胸手術をせずに治療できる

その後、いくつかの研究所が、このハイドロジェルによる心臓疾患の治療法の研究を始めた。心臓病の治療法のいくつかは開胸手術を必要とするが、このハイドロジェルによる治療法は、長いカテーテルを通して行うことができ、開胸手術を必要としない。

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