敗因を徹底追及! 巨人「V逸の7大戦犯」リスト

日刊大衆

敗因を徹底追及! 巨人「V逸の7大戦犯」リスト

 打っても、投げてもダメ。全然勝てない、かつての常勝軍団が衰退してしまった原因を、本誌が一刀両断!

「もう今年は無理か……」 溜め息まじりの声が聞こえたのは、8月24日の東京ドームでのこと。この日、巨人は首位・広島に、先発・菅野智之が打ち込まれ、逆転負け。広島にマジック20が点灯し、巨人の自力優勝が消滅した。

 結局、広島が25年ぶりとなる優勝を果たし、ペナントレースを制した。球界2位となる選手総年俸44億円をかけた常勝軍団・巨人の敗因はなんなのか。本誌が巨人“V逸”の7大戦犯を断罪する!

 戦犯として真っ先に名前が挙がるのは、今季からスタメンマスクを被っている小林誠司だろう。「肩が強いだけで、とにかくリードが下手。外角一辺倒の配球だから、打者にもすぐに読まれて、連打を浴びる場面が何度あったことか」(巨人番記者)

 投手からの信頼も薄く、8月28日のDeNA戦では、マイコラスが小林に激怒する事件が起こった。6回無死一塁、フルカウントから投じた膝元の際どいスライダーがボールと判定されると、マイコラスは鬼の形相で小林に対し、“こうキャッチしろ”とジャスチャーで示したのだ。

「つまり、“お前のキャッチが悪いからボールになったんだ”と言いたかったんでしょう。確かに、小林のミットの出し方は、ボールと判定されやすい。外れていても、ストライクに見せるキャッチングテクニックがあるのに、彼はそれができていません」(前同)

 ベンチに戻ってもマイコラスの怒りは収まらず、グラブを叩きつけ、バットで床を何度も叩いていた。「小林に不満を持つのは、マイコラスだけではありません。昨年、小林が阿部に代わって出場し始めた頃から、山口鉄也、ポレダらが“阿部に戻してくれ”と、首脳陣に直訴したなんて話もあります」(同)

 その阿部慎之助も、“V逸”の責任は重い。「5月末に阿部が右肩痛から復帰すると、打線に核ができ、チームも一気に追い上げムードになったんですが……」(ベテラン記者)

 さすがチームの柱といったところだが、ベテラン記者は、阿部に対して違った見方をする。「阿部の年齢を考えれば、大事を取る気持ちも分かるんですが、チームの状態が状態だけに、少々、無理してでも、もっと早い時期に“ゲームに出させてください”と首脳陣にアピールするぐらいの気概が欲しかった。もし、阿部が、あと1か月早く復帰していたら、と思わざるをえません」

 次に、今年の巨人の大きな特徴として挙げられるのが、「勝利の方程式の崩壊」だ。リーグ1位の防御率を誇る菅野が、今季8勝しかしていないのは、リリーフ陣が崩壊していることの何よりの証拠だろう。リリーフ陣の中でも特に責任重大なのは、澤村拓一だ。リーグ1位の34セーブという成績だけを見れば、今年の巨人の「功労者」とも言えるが、野球評論家の黒江透修氏はこう言う。

「澤村はここぞという大事な試合で打たれる。菅野なんか、彼のせいで勝ち星をかなり失っているのでは」

 黒江氏の指摘通り、澤村は“天王山”ともいわれた8月7日の広島戦で、勝負弱さを露呈してしまった。「5連勝で勢いに乗る巨人は、広島との直接対決でも2連勝。この日も勝てば、11.5あったゲーム差が3.5まで縮まる大事な試合。1点リードのまま最終回を迎え、澤村が登板。ツーアウトまで取ったんですが、続く菊池に不用意に投げた球を痛打され、同点。結果、サヨナラ負けでした。あの負けで、追い上げムードが一気になくなってしまいました」(スポーツ紙デスク)

 リリーフ陣の崩壊もさることながら、さらに深刻なのが打撃陣の不振だ。「こんなに打てないのは何年ぶり、いや、何十年ぶりかというほど」(前出のベテラン記者) 今でこそ、チーム打率.250はリーグ3位だが、5月は.227とリーグ最下位。総得点476も、リーグ4位の数字だ。

 戦犯を挙げるとすれば、首位打者をひた走る坂本勇人以外、全員と言わざるをえないが、中でも断罪されるべきは、村田修一とギャレットだろう。まずは、ギャレット。ヤンキースから鳴り物入りでやってきたのだが、額面通り4番として使えれば、優勝の行方はまだ分からなかったかもしれない。しかし、蓋を開けてみれば、3、4月の打率が.215と大きな期待外れだった。「ようやく戦力になり始めたのは、6月以降。しかも、4番としては使えず、かろうじて6、7番に使うしかない。これで年俸3億円は割に合いません」(前同)

 村田も同じく、ここにきて調子を上げ、打率.292と3割近いが、“帳尻合わせ”が始まったと陰口を叩かれているとか。「村田は今年が契約最終年で、“今季限りで……”という声も聞こえ始めていたんですが、最後に“帳尻合わせ”のように打率を上げてきました。この成績では、球団もクビにできないどころか、高額な3億円の年俸も下げづらい」(同)

 確かに打率だけを見れば立派な数字だが、そんな陰口が聞こえてくるのもうなずけるのは、村田がとにかくチャンスに弱いからだ。「リーグワーストとなる併殺打20からも分かるように、打ってほしいときに打てない。3割近く打っているのに、6月半ばまでは打点13。ランナーがいない場面でヒットを打って、自身の打率は落とさないのに、チームの勝利には貢献しないんですから、たまったもんじゃない」(同)

 打撃不振の責任は主軸だけではない。今年の巨人の大きな問題は、2番が固定できないこと。今季だけで、実に11人もの選手が2番を打ったが、誰一人として合格点には達しなかった。その中でも、マシだということで夏場の勝負どころでは橋本到が使われていた。

「しかし、彼があまり塁に出ないものだから、3番の坂本がいくら打っても、相手にプレッシャーを与えられないという悪循環でした。橋本もせっかくスタメンというチャンスが巡ってきたのに、その期待に応えられなかった」(前出のデスク)

 前出の黒江氏もこう嘆く。「結局、誰もいないから使われていただけで、巨人の2番打者はお粗末だったね。粘りも何もない。ただ漫然と振り回すだけで、少しでも多くの球を投げさせようとか、フォアボールでも出塁してやるという2番打者としての役割が分かってない。かつての巨人にあったフォア・ザ・チームの“伝統”が消えてしまったね」

 以上、V逸の戦犯を挙げてきたが、すべての元凶が、チームの状況を見て、選手を補強すべきフロント陣にあることは間違いない。「投手陣から、不満が噴出している小林を使っているのも、すべてフロントの責任です」(ベテラン記者)

 というのも、昨オフに“小林では無理”との声が早くも現場から上がっており、原辰徳前監督が、昨オフにFA権を取得した楽天の嶋基宏捕手を取ってくれと直訴していたというのだ。「それなのに、フロントはドラフト1位で小林を取っているのだから、小林を使ってくれと、原前監督の願いを突っぱねた」(前同)

 リリーフ陣の崩壊も、その予兆は昨季から出ていたにもかかわらず、フロントはなんの手も打たなかった。「往年の巨人なら、ソフトバンクのサファテなど有力なリリーバーを、カネを積んで強奪してくるくらいのことはしていたのに、今のフロントには、そんな力もない。メジャーから連れてくる外国人は外ればかりで、選手を見る目もない。このフロントで2位なのが、もはや奇跡としか言いようがないですよ」(同)

 常勝軍団の復活を期待しているファンのためにも、一刻も早いチーム改革が望まれる――。

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