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FUTURUS

進化したスポンジが、太陽光の力で水蒸気を発生させる

source:https://news.mit.edu/2016/sponge-creates-steam-using-ambient-sunlight-0822

2年前に『FUTURUS』では「MITが開発!太陽エネルギーを高効率に活用する奇妙なスポンジ」という記事で、太陽エネルギーの85%を活用でき、水を水蒸気に変えることができるというスポンジを紹介した。今回の発表は、そのスポンジのさらなる進化版である。

2014年に紹介したものは、まだ太陽光を10倍程度集める必要があった。それが、このデバイスは光学的に太陽光を集める必要すらなくなったのだという。


■ 熱の放出を減らしたい

2014年に紹介したのは、グラファイトとカーボンの層を持つスポンジ状の物質で、水の上に浮かべると、水を吸い上げつつ表面のホットスポットで温度を上げて蒸発させるというものだった。

しかし、そのためには太陽光を10倍程度まで凝縮させる必要がある。光学的にそれほど高い度合いの凝縮ではないものの、そのためには鏡やレンズが必要だ。それらなしで蒸気を発生させられないかというのが、この研究の発端だったという。

黒いグラファイトはたしかに太陽光をよく吸収するが、いっぽうで周囲に熱を放射してしまうという傾向もある。研究チームは、より効率よく太陽エネルギーを捕らえることができる材料を探した。そして落ち着いたのは、波長を選択して吸収する物質だ。薄いブルーの金属のようなフィルムで、ユニークな吸収特性を持ち、太陽熱温水器によく使われる。

この物質は、電磁波のうちの可視光線をよく吸収するいっぽうで、赤外線は放出しない。太陽光をよく吸収し、熱を捕らえるにもかかわらず、失う熱は最小限なのだ。研究チームは、銅の薄いシートに、波長選択吸収物質をコーティングして、スポンジ状物質の断熱層の上に配置した。

しかし、熱の放射は少なくなったものの、対流によって熱が逃げてしまうことは防げなかった。風などによって空気の分子が表面の熱を奪ってしまうのだ。

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