高畑裕太 逆転不起訴も被害者の人権を侵す“釈明FAX”に弁護士・宇都宮健児が喝 (2/2ページ)

アサ芸プラス

が、あたかも被害女性が裕太を誘ってダマしたかのような文章を公表することは、女性の体ではなく、「人権」を犯すことにはならないか──宇都宮氏が喝破する。

「無神経です。非常に配慮を欠く、FAXだと思いますね。これは、高畑さんサイドから見たことを、一方的に主張している内容です。被害女性の感情とか、そういうところをまったく配慮しないコメントだと思います」

 高畑サイドは、“涙”とされるものを流した謝罪会見や、弁護士を通じた「広報活動」を行うことができる。被害者が、そうした対応をできるはずがない。

「性暴力で被害届を出した人は、約3.7%で、多くの人が泣き寝入りしている。自分のプライバシーが明らかになったり、取り調べでPTSDを発症したり、証人として法廷に立つ負担があったりと、二重三重の被害を受けるからです」(前出・宇都宮氏)

 前出・角田氏も、こう言って首をひねる。

「高畑氏と被害者で事件の捉え方に相違があるのに、コメントは高畑氏の見解を一方的に伝えるものでした。不明瞭な例示を多用したことで、かえって事件の内容が詮索されることになり、事件が公になることを危惧して示談に応じた被害者の意図に反する結果になった。コメントによって、高畑氏側に対して独善的な印象を強めた人も多い。誰も得をしていないと思います」

 実際、匿名のネット上では、「被害者が悪い」という意見も増えている。

「加害者側がどう思ったかではなく、被害者がどういう感情を持ったか、が軸に考えられるべきです。やはり被害者側の女性の人権に対する配慮がまだまだ徹底していない。そうした日本社会の一面を加速化しかねない、非常によくないケースになると思います」(前出・宇都宮氏)

 力で正義を勝ち取る前例を作った高畑だが、出演舞台のチケットの売れ行きはおもわしくなく、空席が目立つという。敏腕弁護士でも、世間の感情を“逆転”することはできないのだ。

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