天才テリー伊藤対談「永野」(3)30代の頃は本当にヤバい状態でした (2/2ページ)
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週刊アサヒ芸能 2016年 9/29号
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テリー それ、わかるよ。「お笑いはウケない、普通の仕事にも就けない。俺はいったい何なんだ?」みたいな気になるよな。
永野 かといって、ハングリー精神みたいなものがあるのかというと、これがまた全然ないですしね。あの頃は本当にヘコみました。
テリー こういう人生がずっと続くんじゃないか、という不安もあった?
永野 ありましたね。だから僕、30代はテレビをほとんど観てないんです。
テリー それは悔しくて?
永野 そうですね。「テレビなんかつまんねえや」と思って。観たところで、今ならおもしろいと思えるようなことも全然おもしろく感じられなかったんです。
テリー それ、ちょっとヤバい状態だよね。
永野 死にたいと思ったことはないですけど、寝る時に「このまま目覚めなければいいのに」みたいに思ったことがありましたね。
テリー そうか。現在のブレイクまで、そこからさらに10年くらいの時間がかかるわけだしね。
永野 ええ。変なことばかりやっていたので、おかげさまで、ライブとかでは一部でマニアックな人気があったんです。そのせいか、「あなたの芸はテレビ向きじゃないから」って言ってくる人もいたりして、それが本当につらくて。
テリー でもさ、逆にそれだけの時間があったから、世の中の人が普通のお笑いに飽きて、「あ、こういうお笑いもアリだよね」と永野さんのネタが市民権を得たわけじゃない。この時間は、決してムダではなかったと思うけどね。
永野 ありがとうございます。そう言っていただけるとホッとします(笑)。