藤井健太郎「自分が好きなことでしか、その人の本当の力は出ない」 (1/2ページ)

日刊大衆

藤井健太郎「自分が好きなことでしか、その人の本当の力は出ない」

 テレビ番組を作る仕事をしていて、思うのは「視聴者は、こういうのが好きなんだろう?」っていうのが、一番良くない。視聴率が取れそうだからと、自分が好きでもないジャンルに手を出しても、絶対にいい番組にはならないと思います。

 もちろん、僕のようなテレビ番組を作るスタッフたちの目標は、視聴率が良くて内容も良い人気番組を作ることです。ただ、優先順位はあくまで、自分がおもしろいと思うもの。その中から、視聴率的にも悪くなさそうなものを選んでいきます。結局、自分が好きなことでしか、その人の最大のパワーって出ないんだと思います。

 そして、僕がおもしろいことを考えようとする時、なぜかそこには少し“悪意”が混ざってしまいます。例えば、“ギリギリ有名人が逃走中”という企画。“あの人はいま?”に出てくるような有名人の方を、遊園地内で見つけるというものだったんですが、ルバング島の小野田寛郎さんだけ、ずっと隠れていて見つからず、番組最後に「もう終わっていたのか」と出てきてもらいたかった。さすがにいろいろと問題がありそうで、踏みとどまりましたけど。

 ほかにも、有名人にオファーをする企画では、“ジェンキンスさんの大脱出”を考えました。もちろん、これも様々な方面からのクレームが予想されたので、実現していません。

 また、ちょうどさっき会議で話していたのは、“衝撃映像死んでいる死んでないクイズ”という企画。テレビでよく見る事故系の衝撃映像を流して、この人は生きているかどうかを当ててもらうというものですが、死んでいても笑える方法が思いつかないので、これも実現は難しいだろうなとは思っています……。

 決して、誰かを貶めたり、悪くいうことが目的ではなく、あくまでおもしろいことが目的。“あんな滅茶苦茶なことして、テレビってバカだな~”と笑ってもらいたいんです。そのためにも、他の番組でやっていたようなことはやりたくない。もちろん次から次へと思いつくわけではないので、すべてが見たことがないようなものって訳にはいかないんですが、なるべくそういうものを出していきたいなと思っています。

 だから、プロデューサーの中には、現場から一歩引いた形で番組にかかわる人も多いんですが、僕はできる限り、自分が手を動かしたい。

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