SNS全面解禁へ?ジャニーズWEST公式Twitterに漂う”違和感”
ジャニーズWESTが10月19日、「ジャニーズWEST PR担当」として公式Twitterを開設した。これまでジャニーズ公式のSNSアカウントは作られたことがなく、新たな動きがファンを驚かせている。この異例の出来事にファンからも当初、アカウントが本物であるか疑いの声があった。しかし事務所の公式サイトにアカウントのリンクが貼られ、公式であることが判明するとファンからは喜びの声が挙がった。
ジャニーズWESTは今年、ファンクラブも発足させている。デビューから2年経過し、活動拠点であった関西から徐々に全国区へと活動範囲を広げている。
「ファンクラブは他グループにもありますが、Twitterという新領域を開拓できたのは、現在の勢いもあってでしょう。事務所としては、SNSにも手を出してファン数の動向を見ていると思われます。メジャーどころのSexy ZoneやHey! Say! JUMPだと、すでに固定ファンが大多数居るためファンの傾向が掴みにくい。じわじわ人気を伸ばしている彼らがターゲットとなったのでしょう」(芸能記者)
実験的な要素も強いというこのアカウント開設だが、この運用がうまくいけばジャニーズのPR戦略も大きく変わってくる。今後デビューするグループは、SNSメインの告知が行われるかもしれない。
今年は「2016年上半期観客動員数ランキング(LiveFans調べ)」においても、男性アイドル部門で1位を獲得していたジャニーズWESTだが、初のSNSの開設によって観客動員数もどれだけ変化するかにも注目が集まりそうだ。
■従来のジャニーズ神話はもはや崩壊の危機?
また関係者によると、こうした新規ファンの獲得はジャニーズ事務所の大きな課題でもあるのだとか。
「とくに今、SMAP騒動で事務所内の泥沼関係性が明るみになり、業界内でのジャニーズの評価が芳しくない。ポストSMAPとも言われる嵐も、冠番組の視聴率がイマイチ。さらに若手のHey! Say! JUMPは、メンバーのスキャンダルが続出している。固定ファンの囲い込みには問題ないかと思われますが、新規ファンの開拓ができていない状況になると言われています」(前出・関係者)
かつてジャニーズといえば、ジャニー喜多川社長(84)や、メリー喜多川副社長(89)といった“上席の剛腕”によって、ジャニーズが出れば視聴率が取れるという定説があった。しかし、こうしたことも今では当てはまらなくなってきている。さらにジャニー氏やメリー氏が高齢を理由に、現役を退く話もたびたび浮上している。これまで業界内で恐れられていた圧力も、今後は弱まりを見せる可能性もありそうだ。さらに、超特急やBOYS AND MENといった他事務所のアイドルグループの活動も目立ってきている。
ジャニーズ事務所としてもいよいよ従来のPR方法では限界を迎えている。今後は、複数グループのファンの掛け持ちだけでなく、新規ファンを獲得する方法を試行錯誤することになりそうだ。
これまで築き上げてきた“ジャニーズ神話”も、新章に突入するタイミングにきているのかもしれない。
- 文・佐々木浩司(ささき・こうじ)
- ※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。