三代目JSBの”レコ大1億円買収”を大手マスコミが一切報じないワケ

デイリーニュースオンライン

「Unfair World」より
「Unfair World」より

 ベッキー(32)の不倫はこぞって後追い報道したのに……。10月27日発売の『週刊文春』(文藝春秋・11月3日号)が報じたLDHの日本レコード大賞1億円買収報道に関して、新聞・テレビなど大手マスコミがダンマリを決め込んでいる。

■業界の枠を超えて実現した癒着

『週刊文春』は「三代目JSBはレコード大賞を1億円で買った!」と題した記事内で、LDHが芸能事務所のバーニングプロダクションへ支払った1億800万円の請求書を暴露した。事の顛末を洗いざらいつづり、レコ大の不正に関わった関係者や企業名のみならず、同業のメディアの名前も実名で公開している。

 もう一つのポイントは、同賞の審査委員を、多くの新聞記者が務めていることだ。スポーツ紙は『ニッカン』や『スポニチ』、『サンスポ』、『デイリー』、『東スポ』など六紙、ほかに『読売』や『毎日』、『日経』、『産経』、『東京』、『夕刊フジ』などが名を連ねている。(週刊文春・特集記事「三代目JSBはレコード大賞を1億円で買った!」より抜粋)

 記事中で名前の挙がっているバーニングやエイベックス、大手マスコミはそれぞれ反論ナシ。LDHにいたっては23日、HIRO(47)が社長を今年で退任し、新設されるグローバル組織「LDH WORLD」のクリエイティブ・リーダーになることを発表。あたかも、暗に報道が事実であると物語っているようだ。

「『文春』に名指しされたメディアの現場記者の多くはレコ大の“事情”を知らなかったのでは。上の不始末で汚名を着せられているようで、かわいそうではある。だが、事態そのものは大手の芸能事務所・マスコミ・音楽会社が業界の枠を超えて癒着して実現した不正であり、日本の芸能界の暗部を象徴するような出来事。同業者も関わっているので言及するのは心苦しいが、率直に言えば、それぞれの権力を利用した腐敗の極み。『文春』の言うように、音楽ファンを愚弄している」(報道デスク)

『週刊文春』の今回のスクープはSNSを中心に拡散したものの、テレビや新聞の後追い報道はほとんどナシ。「取り上げないのが疑問」などとキツネにつままれたような印象を受ける読者・視聴者も少なくない様子だ。

「バーニングなどに頭が上がらないのが大きな理由だろうが、おそらく数ヶ月もすれば忘れ去られる。また、もしレコ大不正で名前の浮上した大手マスコミが何らかのペナルティーを食らって活動に制限を受けたとしたら、記者クラブなどを牛耳っているため、各分野の報道がマヒする。これが現在のマスコミ事情。不正が発覚しても体質が変わりづらく、世間に“マスゴミ”と叩かれても否定しにくい」(前出・報道デスク)

 NGO「国境なき記者団」が4月に公開した「報道の自由度ランキング2016年版」で日本は、180カ国中72位。来年は評価の一つである不正に関する項目で、著しく評価を下げそうだ。

文・海保真一(かいほ・しんいち)
※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。
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