『DEATH NOTE』夜神月の罪は日本の法律で裁けるのか?弁護士先生にマジメに聞いてみた (2/2ページ)

キャラペディア

ノートに名前を書く行為は危険な行為ではありませんし、死んだのも数日後なので、ノートの記入とは全く無関係な事情で死亡したことになります。


--記者

 デスノートにかぎらず、呪殺や洗脳など、直接的に手を下さずに人を殺める事ができた場合、現在の法律で罪に問う法律はあるのでしょうか?

--岩沙先生

 呪殺は、先ほど説明した危険性や因果関係の証明が難しいので殺人罪に問うことは難しいでしょう。一方、洗脳の場合は殺人罪が成立する可能性があります。過去の裁判例では、暴力または精神的圧迫により被害者を抑圧し自殺させた事例で殺人罪の間接正犯を成立させたものがあります(最決平16・1・20)。直接的に手を下さず他人(被害者本人を含む)を利用して犯罪を実行した場合も処罰されます。


--記者

 実際にデスノートによる犯罪が起こった場合、結局のところ今の日本の法律で犯人を裁く(捕まえる)には、どうしたら良いのでしょうか?

--岩沙先生

 やはり危険性や因果関係の証明が全てですね。デスノートの危険性と死との因果関係を裁判官に証明できない限り、デスノートによる犯罪を裁くことは非常に難しいです。これらさえ証明できれば、特に新しい法律を作る必要はありません。


 というワケで、デスノートによる殺人について、弁護士の岩沙好幸先生に色々とお話を伺いました。主人公「夜神月」を、現在の日本の法律で裁く事はやはり非常に難しそうです。ノートに名前を書くことと殺人の因果関係の証明、そんな事が出来るのはきっと猫背の天才くらいでしょうから。

■取材協力

岩沙好幸(いわさよしゆき)弁護士(東京弁護士会所属)
弁護士法人アディーレ法律事務所

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