レコ大のドンが完全降伏?三代目JSBの”1億円買収”で業界に激震
『週刊文春』(文藝春秋)がスクープしたTBS「日本レコード大賞」の“1億円買収疑惑”の波紋が広がっている。同誌の11月2日発売号でも続報され、同賞の最高責任者である日本作曲家協会会長の叶弦大氏(78)が謝罪するという事態にまで発展。その一方、芸能界を揺るがすほどの事件なのにワイドショーやスポーツ紙では一切触れられないという異常な状況が続いている。
■”レコ大のドン”完全降伏でクロ確定か?
10月末に同誌は、昨年末の日本レコード大賞において「三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE」に大賞を獲らせるため、所属事務所のLDHとレコード会社のエイベックスが“芸能界のドン”こと周防郁雄社長(75)率いるバーニングプロダクションに審査員への働きかけを依頼していたと報道。その証拠として税込1億800万円の請求書を掲載し、レコード大賞の裏で“買収工作”があったと伝えた。
同賞の「出来レース」は以前からウワサされていたが、決定的証拠が出てきてしまっただけに衝撃的だ。もし証拠がニセモノなら即座に否定すべきだが、LDH、エイベックス、バーニング、TBSのいずれも完全沈黙を続けている。それでいながらLDHは社長のHIRO(47)の退任を突然発表。世間では「認めたも同然」という見方が大勢を占めている。
さらに11月2日発売の同誌は“レコ大のドン”と呼ばれる叶氏を直撃。これに叶氏は「このような事態になったことは大変遺憾で、主催者として大変申し訳なく思っています」などと完全降伏で謝罪しており、もはや「クロ」が確定的ともいえる印象だ。
「謝罪の言葉を口にしていますが、どこか他人事のようで『自分のあずかり知らぬところで誰かがやった』と言わんばかり。これほど大規模な買収工作があれば最高責任者が何も知らないわけがないのですが、すでに内部で責任のなすりつけ合いが起きているようです」(芸能関係者)
これほどの大醜聞なのに後追い報道する大手メディアは皆無。ネットメディア以外では“タブー”と化した不可解な状況となっている。
「レコ大はさまざまな利権が絡んでおり、さらにバーニングやエイベックスが関わっているとなれば大手メディアは自主規制せざるを得ない。もし逆鱗に触れて『出演NG』『取材NG』を突きつけられたら大ダメージですからね。また、同賞は一般紙やスポーツ紙の記者が審査に参加しているため、もし買収が事実となれば自分たちの身にも火の粉がふりかかる」(前出・関係者)
■LDHの“コワモテ”ぶりにメディア萎縮?
歴史ある賞の存続意義が失われるだけでなく、メディアの信頼性を揺るがすような疑惑なのに業界中がダンマリとは……。さらに、この状況にはEXILEグループの躍進で急速に大手に上り詰めたLDHの「コワモテ」ぶりも影響しているという。
「三代目人気メンバーのスキャンダルを掲載する予定だった週刊誌の編集部に“コワモテ”のLDH関係者たちが押しかけ、記事の取り下げを要求したという有名なウワサがある。それをきっかけに大手だけでなく中小のメディアも『LDHは厄介案件』として、ネガティブな記事を書きたがらなくなった」(週刊誌記者)
7月発売の『週刊文春』ではLDHの元社員が役員からの悪質なパワハラ被害を告発し、ささいなことでの土下座の強要やラーメン10杯の完食を強制されるなどしたと訴えていた。そんなヤンキー的なノリも大手メディアの萎縮ぶりに関係しているのだろうか。だが、コワモテぶりと大手プロの威光でメディアを黙らせてもさすがに無傷とはいかずに、EXILEグループは正念場に立たされそうだという。
「これだけの騒動になれば『レコード大賞』へのエントリーは難しい。さらに大晦日の『紅白歌合戦』の出場も、NHKが一番嫌うタイプのスキャンダルなので危うくなっています。また、HIROの最大の目標は2020年東京オリンピック開会式に三代目やEXILEを送り込むことでした。すでに五輪関係者とのパイプも築き、準備万端といったところでしたが、クリーンなイメージが失われてしまったことで頓挫しかねない気配。この騒動をきっかけにEXILEグループが崩壊する危険性すらあります」(前出・記者)
どうやら、いくら大手プロの圧力があっても「なかったこと」にはできなさそうな状況である。悲願の東京五輪開会式への出演がフイになるばかりか、グループ全体の凋落を招きかねない緊迫した状態といえそうだ。
- 文・橘カイト(たちばな・かいと)
- ※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。