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「北朝鮮との戦争を準備しろ」米韓連合司令官が発言

「我々はあらゆる準備を固めており、(北朝鮮との)戦争という最悪の状況は避けるべきだが、戦争をしなければならない瞬間にも備えなければならない」

「愛人ホスト」の意外な影響

米韓連合司令部のビンセント・ブルックス司令官は1日、韓国の李淳鎮(イ・スンジン)合同参謀本部議長とともにグアムの米軍基地を訪れた際、このように語った。グアムには、北朝鮮が警戒する戦略爆撃機の基地がある。ブルックス氏の言葉は、米国が韓国を全力で守るという意思を示し、韓国社会の不安感を払拭するためのものなのだろう。

もちろん、その言葉に「本気」が込められていなければ、そのような効果を持つことは出来ない。北朝鮮に対する「主戦論」は、ほかの米国高官たちからも出ている。

その多くは韓国防衛のためというより、北朝鮮が核弾頭を搭載した大陸間弾道ミサイル(ICBM)を持つ前に、外科手術的な攻撃でその開発能力を削ぐべきという自国本位の発想からのものだろう。もっとも、だからこそ強硬な言葉に「本気」がこもり、北朝鮮に対する抑止効果が生まれるとも言える。

しかし今後しばらくの間、そのような心理的圧迫は、北朝鮮に対して効果を持たなくなるかもしれない。そのように考える理由は、韓国の政治と社会の混乱にある。

朴槿恵大統領の知人女性が、民間人でありながら国家機密や人事に介入したとされている疑惑「崔順実(チェ・スンシル)ゲート」は、当初は教育・文化・スポーツ行政と関わる分野で火が付いたが、それが安保分野にまで飛び火する気配を見せている。軍の先端装備の選定や人事にまで口をはさんでいたとの噂が出始めているのだ。

とくに、国軍機務司令官の事実上の左遷にも絡んだとの噂が事実であれば、重大事である。韓国の情報機関と言えば、国家情報院(国情院)を思い浮かべる人が多いだろうが、軍の防諜機関である機務司令部も、北朝鮮のスパイ対策ではきわめて重要な組織だ。

そこに、愛人の元ホストを引き連れた民間人女性らの素人集団が影響力を行使していたとしたら、米軍としても、「いつでも北と戦う」などと本気で言えなくなってしまうのではないか。

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