思いがけない方法で効率を倍増する新型の家庭用太陽光パネル (1/3ページ)

FUTURUS

思いがけない方法で効率を倍増する新型の家庭用太陽光パネル

太陽光発電の効率はけっして高くない。それを改善するために、太陽光パネルのエネルギー変換効率を高める研究が、世界中で行われている。そのなかでこれはちょっと変わった手法だといえるかもしれない。光学的な方法で、太陽光発電の効率アップを実現するのだという。スイスのローザンヌ工科大学(EPFL)から生まれたスタートアップ企業の研究で、同校のウェブサイトで紹介されている。


■ レンズで光を集める

通常、市場に出回っているソーラーパネルのエネルギー変換効率は18%から20%ほどだ。ところが、このスタートアップ企業Insolightが試作したソーラーパネルは、36.8%にのぼるという。面積あたりの発電量は約2倍にもなるというわけだ。

どのようにしてそんな高効率の発電を実現しているのか。それは、太陽光を集めるレンズの効果を持つ、フラットで薄いプラスティック製の透明パネルがカギとなる。そうやって、非常に高性能なソーラーセルに光を集めてやるのだ。

じつは、エネルギー変換効率42%という高性能なソーラーセルというものも世の中には存在する。いくつもの層からできていて、さまざまな波長の光をとらえることができるようになっているものだ。しかし、それは非常に高価なので、宇宙機のような限られた用途にしか使われてこなかった。

このInsolightが行ったのは、ソーラーセル自体を自ら改良しようというのではなく、非常に小さなサイズの高性能セルに、光を集めることで、コストを抑えながら非常に高い効率を実現する技術だ。高性能セルのサイズは、1個あたりせいぜい数ミリ四方だという。

「これはシャワーみたいなものです。すべての水が、小さい穴から落ちていく感じです。床のすべてにまんべんなく水を落とす必要はないのです」と、このスタートアップ企業のCEOであるLaurent Coulot氏はいう。

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