世間とズレてる?和田アキ子の”紅白落選”に松本人志や西川史子らが異論
第67回NHK紅白歌合戦の出演者発表で、歌手の和田アキ子(66)が落選したことによる波紋が広がっている。これまで歴代女性歌手最多の39回出場し、大トリや司会まで務めるなど紅白への貢献度が高かった和田の落選の一報を受け、「NHKはよく決断した」という声に代表される一般視聴者の声に反し、芸能界では次々と「和田擁護」の発言が噴出する違和感を見せている。
■芸能界からは“和田擁護”の声ばかり
「“出場40回”が区切りになるかと思われていた和田でしたが、39回目にして落選の憂き目にあった。今年唯一リリースした新曲『All Right!!!』は鳴かず飛ばずで、ヒットチャートにも乗らずじまい。紅白落選は自然の成り行きとも見て取れるが、“芸能界の論理”ではそうはなりません」(スポーツ紙記者)
NHKが今年の紅白出場を発表してすぐの週末には、テレビで和田を擁護する発言が立て続けに流された。関西で絶大な人気を持つタレントの上沼恵美子(61)は27日、『上沼・高田のクギズケ!』(読売テレビ)で、「和田アキ子さん、出てよ、アッコさん!」と大声で呼びかけている。「(紅白は)年寄り向けでいい」と持論を展開し、和田の落選に異議を唱えている。
似たような擁護発言は和田が所属するホリプロの後輩タレントからも飛び出した。女医でタレントの西川史子(45)も同日、『サンデー・ジャポン』(TBS系)で、「視聴習慣が変わって、親子一緒に紅白を見るという感じじゃない。ヒット曲がないと出られなのではなく、アッコさんの今までの功績を考えたらちゃんと花道を飾ってあげるべき」と苦言を呈した。
そして西川が出演した同じ時間帯、裏のフジテレビでも“和田擁護”が飛び出している。ダウンタウンの松本人志(52)は27日、『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、「(紅白は)あまり面白そうじゃない。NHKはマンネリをだめだと思っているのかとびっくりした。紅白は風物詩。風物詩はマンネリの極致でいい」と語った。その上で「(NHKは)ネットの意見を見すぎている。ネットの声がそのまま世間の意見というのは違う。マンネリを貫く。ねじ伏せるでいい。スポンサー関係ないわけやし」と矛先を、紅白を主催するNHKに向けた。
しかし、擁護する3人の発言はどれも説得力に乏しく、いずれも中高年者が語る“世代論”の域を出ていない。これでは視聴者の共感は得られないだろう。和田アキ子の紅白落選によって浮き彫りになった芸能界村の特殊な倫理。テレビ視聴率が年々下落している要因はこんなところにも見え隠れしている。
- 文・阿蘭澄史(あらん・すみし)
- ※1974年滋賀県出身。フリー記者。某在京スポーツ紙の契約記者を経て、現在は週刊誌等で活躍中。主な著書に『真相!アイドル流出事件簿』(ミリオン出版)、『事務所をクビになった芸能人』(竹書房)、『芸能人のタブー』(宙出版)など。