E-Girlsが”紅白出場”でBABYMETALが落選のワケとは
三人組のメタルダンスユニット・BABYMETAL(ベビーメタル)が『第67回NHK紅白歌合戦』に出場しないことが判明した。世界を舞台に活躍して脚光を集めた同グループの扱いをめぐって、ファンの間では賛否両論が起きた一方、“紅白回避”のメリットが浮彫りになってきた。
■LDHのE-Girlsが選出されてBABYMETALが不出場の怪
国際舞台で活躍し、日本国内でも注目を集めたBABYMETAL。2016年は3度目のワールドツアーを成功させ、4月にリリースした2ndアルバム『METAL RESISTANCE』が世界各国のアルバムチャートにランクイン。日本国内でもオリコン週間アルバムランキングで2位をマークした。さらにはアメリカのテレビ番組に出演、『KERRANG! AWARDS 2016』の最優秀ライブバンド賞など数々の賞を受賞。破竹の勢いを見せた。
しかし24日に発表された紅白出場者の中にグループの名前はなし。国内のファンの間では、紅白不出場という結果に悲喜こもごも。一部メディアでは同グループの出場辞退説、所属事務所アミューズの定員枠オーバー説などが取り沙汰されている。
一方、レコード大賞1億円買収報道のインパクトが消えぬLDH所属のE-Girlsが4年連続で選出された。E-Girlsファン以外の視聴者からは「何を歌ってるのか知らない」「(NHKは)何を基準に決めてるのか?」などと戸惑いや疑問の声がチラホラ出ている。
「BABYMETALはすでに国際舞台で大いに活躍している。今さら紅白に出て知名度を上げる必要が全くない。辞退説が納得できるだけの根拠はたしかに多い」(報道関係者)
今年も様々な議論を呼んでいる紅白は、出場のメリットこそ大きいが、連続出場からの落選は凋落イメージがつきまとうデメリットもある。そのため「落選」の2文字を突きつけられる前に卒業を発表するグループ・歌手は多い。ももいろクローバーZも2015年に卒業を発表して物議を呼んだ。
主催のNHKは、紅白の出場者基準に「今年の活躍」「世論の支持」「番組の企画・演出」の3つを設けていると事ある度に説明している。しかし視聴者はもちろんのこと、今年はフリーアナウンサーの小倉智昭氏(69)らが「よく分からない」と率直な疑問を呈している。
「近年、音楽は多様化したが、紅白は“仲良しこよし演出”一辺倒になってきた。若手が先輩歌手をステージ後方で応援したり踊って盛り上げたりする様は、まるで体育祭や文化祭そのもの。そんな“NHK色の学校演出”が選考基準の一つとなって落選するくらいなら、『最初から出ないほうがマシ』『ブランディングになる』と考えるアーティストがいても何ら不思議はない」(前出・報道関係者)
昭和の時代は80%を超える視聴率を誇った化物番組も、今や出ないほうがアーティスト価値を高めるかも!?
- 文・海保真一(かいほ・しんいち)
- ※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。