世界中の情報が北京に漏洩?中国で始まる”インターネット安全法”の怖さ (1/2ページ)

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夏以降、中国人が盗聴器と化す? (C)孫向文/大洋図書
夏以降、中国人が盗聴器と化す? (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。

 2016年11月7日、中国の全国人民代表常務委員会は2017年夏季から「インターネット安全法」を制定することを決定しました。この法律は「サイバー攻撃やネット犯罪などを厳しく監視し、国家や国民、企業の損害を防ぐこと」を名目にしていますが、実際は「社会主義の核心的価値観の宣伝を推進する」という内容が盛り込まれ、国内の言論統制を視野に入れたものです。

■人々を統制するために制定されたインターネット安全法

 中国国内の外資系企業家たちは、インターネット安全法が自社の営業に支障をきたすことを懸念して、16年8月ごろから中共政府に法律が経済的影響を与えることがないよう要望していたのですが、安全法を見ると外資系企業のホームページの運営は、すべて中国側が運営するサーバーへの移行が義務付けられ、政府側の審査を通らなかったホームページは全面的に閉鎖されるという内容が記載されています。

 つまり、今後中国の外資系企業のネットワーク情報は全て中共政府側の管轄下に置かれるというわけです。これは中国国内の情報が外国に漏洩することを防止すると同時に、外国企業の情報は中国側に盗まれ放題という事態を意味します。

 またインターネット安全法の付属要項内には、外資系企業に対し中国人顧客の個人情報は全て中国のサーバーに保管することを義務付ける一方、外国人顧客の情報の保管は義務付けないと記載されています。これはおそらく自国民を監視、統制することを目的としたものだと思います。「外国人には適用されない」という言葉を聞いて安心された方もいるかもしれませんが、中国の情報統制は着実に世界中に広がりつつあります。

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