DeNAの暴走における”ダメージコントロール”の失敗|やまもといちろうコラム (1/2ページ)

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 山本一郎(やまもといちろう)です。いろんなところで目撃証言があったようですが、私は一人しかいません。他で見かけたとしたらそれは山本太郎です。

 ところで、DeNAの件が燃えておりますが、12月7日、DeNAで会長・南場智子女史、社長・守安功さんによる記者会見が行われました。3時間ほど行われた会見の中では、経営陣がこの問題についてあまりきちんと知らされていなかったという実態について、お詫びとともに説明がありましたが、懸念や疑念は晴れることなくもうしばらくグズグズしてしまうことになりそうです。

 というのも、実はこの問題というのは構造が大きく、DeNA一社がやらかしたので謝罪して終わりというものではなく、ネットにかねてから広がっていた「引用」という剽窃文化、さらにはそれによって稼がれるページビューに依存したデジタル広告営業の実態という2つの相克があるからです。

 突き詰めれば、人間にとって有効な情報というのはそこまで多くありません。生きていくために必要な情報を適切に仕入れられれば、落ち着いて家族とともに暮らし、適度に働いて幸福に生きていけるという程度のものです。インターネットが普及し、情報化社会になったからと言って、人間が生きている間に処理できるビット数が劇的に増えたかというとそういうことでもなく、むしろ、もっとも濃いエッセンスを適度に薄めて摂取するか、人間の意識しないところで大量の情報をやり取りすることで人間社会をより便利にしていくかというあたりに情報化社会の本質があります。人間がどんなにガジェットを揃えても、目にできる液晶は一枚の一部であるということを思い致せば、どれだけの大量の情報が流れても人間の知識の獲得や学習、行動を促す情報はわずかしか取り込まれないのだと思っても良いと思います。

 したがって、元になる情報などそれほど多くないのだから、特定の疾病、例えば膵臓がんについて調べようと思えば、最新の医療百科のような定番の書物と医療系の学術論文にアクセスできれば本来は情報摂取は終わってしまいます。ステージ4bの5年生存率も、状況による予後や抗がん剤、転移の際の処置など、本当の医療情報に接することが「知の限界点」であって、それ以外のものはすべてノイズです。

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