ASKA釈放から見える警視庁と厚労省の薬物捜査の失態ぶり

まいじつ

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11月28日に覚醒剤使用容疑で警視庁組織犯罪対策5課(組対5課)に逮捕された歌手のASKA(58)が、12月19日に嫌疑不十分で不起訴処分となって釈放された。その後、「あらかじめ用意していたお茶を尿の代わりに(採尿カップに)入れた」と説明しているが、尿鑑定で陽性反応が出ていたのになぜ? と思った人は少なくないだろう。

「捜査官OBは一様に、『尿ではなくお茶という主張がまかり通るなんて前代未聞。確認を怠った警視庁の失態であることは間違いない。誰かが入れ知恵したのか、なぜお茶とすり替えたのかは分からないが、悪しき前例をつくってしまった』』と嘆いています」(社会部記者)

その組対5課は、薬物事件の捜査書類を偽造して携帯電話の通話履歴を違法に差し押さえた容疑で、12月8日に厚生労働省関東信越厚生局麻薬取締部の麻薬取締官(通称:マトリ)である奥村憲博容疑者(46)を、虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕したと発表している。組対5課が、いわば薬物事犯摘発を行っている“仲間”を逮捕したことは、こちらもASKAの件と同様に前代未聞だった。

「奥村容疑者は、“凄腕取締官”と言われた幹部級の取締官で、逮捕の裏側には警視庁との“縄張り争い”があるとも囁かれています」(同・記者)

組対5課は今年2月に清原和博を逮捕した。その一方で、マトリは昨年から小向美奈子や高知東生、高樹沙耶らの有名人を定期的に逮捕している。

「組対5課とマトリは、役所レベルの争いというより、現場では始終いざこざを起こしています。有名人の薬物疑惑を追っていると、どうしても情報源が重なりますし、最近はマトリが先に捕まえるケースが目立っているので、そうした噂が立つのでしょう」(元捜査関係者)

奥村容疑者の調書偽造が明らかになれば、過去にマトリが捜査した薬物事件の訴訟の信頼性にも関わってくる。マトリも危機を迎えているが、組対5課も今回のASKAの逮捕で誤ちを犯した。

麻薬捜査の手法を見直すときが来ているのかもしれない。

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