「自分は能力不足です」と認めた金正恩氏が今すぐにすべきこと (1/2ページ)

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「自分は能力不足です」と認めた金正恩氏が今すぐにすべきこと

北朝鮮の金正恩党委員長が1日、朝鮮中央テレビをなど通じ肉声で発表した「新年の辞」で、「大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験は最終段階」と述べ、核・ミサイル能力の高度化を誇示したことが注目を集めている。

もちろん、注目に値する発言である。ただ、射程の長大なICBMは米国を狙った「専用」の兵器であり、米国の安保を軸に考えた場合に重大な懸案となるものだ。日本や韓国はとっくの昔に実戦配備された中距離弾道ミサイルの射程に収まっており、いま改めて騒ぐようなことでもない、とも言える。

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その他の部分については追々、分析した内容を紹介しようと思うが、筆者としてはまず、次の一説に触れずにはいられない。次なるは、朝鮮中央通信が配信した「新年の辞」の公式訳の一説である。

「新しい一年が始まるこの場に立つと、私を固く信じ、一心同体となって熱烈に支持してくれる、この世で一番素晴らしいわが人民を、どうすれば神聖に、より高く戴くことができるかという心配で心が重くなります。 いつも気持ちだけで、能力が追いつかないもどかしさと自責の念に駆られながら昨年を送りましたが、今年は一層奮発して全身全霊を打ち込み、人民のためにより多くの仕事をするつもりです」

正恩氏が、間違いなくこう言ったのである。民意によって選ばれた、どんな民主主義国家の元首にも劣らぬ殊勝な物言いではないか。海外のドラマや映画を見ただけの庶民を拷問したり殺したりする独裁者の発言とは、到底思えない。

北朝鮮の最高指導者がこのような自己批判を行うのは異例であり、韓国の専門家やメディアは「新たなリーダーシップ戦略」から出たもの、との見解を示している。

聯合ニュースによれば、たとえば高麗大統一外交学部の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「(昨年5月の)党大会により3代世襲を完成させたため、謙虚なふりをしても誰も挑戦できない。3代世襲の完了を誇示している」と分析。また、慶南大政治外交学科の金根植(キム・グンシク)教授は「住民に仕える首領、すなわち、幹部には厳格で、住民には寛大なリーダーということを訴えている」と指摘している。

いずれも、首肯できる見解と言える。

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