正しく知りたい!「セルフメディケーション税制」と医療費控除

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正しく知りたい!「セルフメディケーション税制」と医療費控除

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会社員の方はそろそろ年末調整の期限を迎え、確定申告の季節ですね。
所得税が還付されるのを楽しみにしている人も多いのではないでしょうか?

ところで、「医療費控除は年末調整ではできない」ということをご存じですか。

たくさん病院にかかった場合の“医療費控除”は、年末調整では対応できないので、会社員でも還付申告か、2月中旬からの確定申告が必要です。

そこで今回は、ファイナンシャルプランナーの筆者と、どこまでが医療費控除の対象なのか確認してみましょう。1月から始まる“セルフメディケーション税制”についてもお話します。

■医療費控除って何?
医療費控除は、生計を一にする配偶者や子供、その他親族が病院にかかった時、支払った医療費から出産育児一時金や高額療養費、医療保険の給付金等もらった分を差し引いた額が、原則10万円以上のとき、所得から支払医療費を差し引いて所得税律をかけて計算します。

自己負担した医療費が10万円なら年収500万円のサラリーマン家庭(妻専業主婦、15歳以下の子供1.人)で、所得税約1万円が還付されるでしょう(生命保険料控除、住宅ローン控除などは考慮せず)。

■こんな費用は医療費控除になる?
では、「医療費控除として認められる費用」をご紹介しましょう。支払った医療費から高額療養費や出産育児一時金、民間保険の給付金など受け取った額(確定していない場合は見込み額)を差し引きます。

・病院に通うための電車代やバス代など
→家計簿等を見せるかコピー添付で証明できれば○

・出産で産気づき、急いで病院に向かったタクシー代
→タクシーでも緊急性が認められるので○

・子供の不正咬合の歯列矯正費用
→必要な矯正と認められ○

・病院都合の差額ベッド代
→病院の都合なら○

・金やポーセレンを使った治療の費用
→歯の治療材料として一般的なので○

・風邪を引いたときに買った市販の風邪薬
→レシートがあれば○

では、次に、「医療費控除として認められない費用」です。
・里帰り出産でかかった帰省のための交通費
→×

・美容ための歯列矯正費用
→美容のためは×

・予防接種代、風邪予防のためのビタミン剤など
→×

ちなみに、健康保険組合から送付される「健康保険のお知らせ」は医療費支払を示す領収書にはならないので要注意です。

■確定申告・還付申告の違い
確定申告は前年1月から12月の所得に基づいて毎年2月中旬から3月中旬に所得税を申告します。還付申告は1社だけの給与所得で年収が2000万円以下、他に不動産所得や配当所得、雑所得など20万円以上の所得がないことが条件で、結構多くの会社員が当てはまります。

還付申告なら5年間申告できるので平成28年の所得なら平成34年3月15日までに申告すれば大丈夫です。申告書に医療費の領収書やレシート、源泉徴収票等をつけ、住所地の税務署へ持ち込み、郵送、電子申告でできます。

■平成29年1月からはじまる「セルフメディケーション税制」
セルフメディケーション税制とは、自分と生計が同じ家族が、「特定成分を含んだ OTC 医薬品」を購入したとき、支払った合計額が1万2千円超のときは、超える金額(上限:8万8千円)をその年分の総所得金額等から差し引く新税制です。

対象品目の支払いが、平成29年1月1日から平成33年12月31日までの間なら、医療費控除の対象にもセルフメデュケーション控除の対象にもなります。

平成29年分の確定申告(平成30年2月中旬から3月中旬)では、医療費控除(他のものを合わせ原則10万円以上かかったとき)か、セルフメデュケーション控除(対象品目で1万2000円以上かかったとき)か、どちらかを選択します。

平成28年分の確定申告は、2月中旬から 3月中旬までです。そろそろ医療費の領収書をまとめてみましょう。

(拝野洋子)

【参考】

※ セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について – 厚生労働省 : 

※ セルフメディケーション税制対象品目一覧 – 厚生労働省

※ No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|所得税 – 国税庁 : 

【画像】

※  shironopapa / PIXTA(ピクスタ)

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