金正恩氏の「金づる」が逃げていく…中国でまたもや集団脱北か (1/2ページ)

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金正恩氏の「金づる」が逃げていく…中国でまたもや集団脱北か

中国で暗躍していた北朝鮮のIT関係者、約10人が集団脱北したと韓国のMBCニュースが報じた。彼らは主に外貨稼ぎに携わっていたという。

もし、これらのIT関係者が韓国入りするとなると、知られざる北朝鮮サイバー部隊の一端が明らかになる可能性もある。それは、同時にサイバー攻撃に力量を投入している金正恩体制に少なからずダメージを与えるかもしれない。

正恩氏のわいせつ動画

北朝鮮のサイバー部隊の主な目的は二つある。一つ目は、インターネットを通じた政治工作だ。韓国の情報機関である国家情報院によると、北朝鮮のサイバー部隊はフェイスブックなどのSNSでハニートラップを駆使し、韓国政府の主要人物が保有するスマートフォンにさえもサイバー攻撃を仕掛け、一部が成功していたという。

2014年に、金正恩氏の暗殺を描いたコメディ映画「ザ・インタビュー」をめぐって配給会社であるソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)に対して大規模なサイバー攻撃が仕掛けられた。この事件に関して米政府は北朝鮮が関与したと断定しているが、真偽はいまだに不明である。

北朝鮮は一貫して潔白を主張したが、日頃からサイバー攻撃を展開していることから犯人扱いされてしまった。また事件の思わぬ余波として「ザ・インタビュー」が自国へ流通することを恐れた北朝鮮当局が過剰反応し、挙げ句の果てには「元帥様(金正恩氏)が登場するわいせつ動画が存在する」という怪情報まで出回ることになる。

サイバー攻撃の二つ目の目的は外貨稼ぎだ。今回、集団脱北したとみられるIT関係者は、金策(キム・チェク)工業総合大学の出身者だという。研修生の身分で中国に滞在していたというからサイバー部隊の卵かもしれないが、表向きは欧州企業の下請けとしてコンピュータプログラムを作成していた。しかし、実際はハッキングを目的とした不正プログラムを作成して中国国内の非合法組織に売り込み外貨稼ぎをしていたという。

北朝鮮の秘密警察である国家保衛省(前国家安全保衛部)は、中国の諜報機関である「中国国家安全部」に彼らの行方不明を通告し、調査を依頼したようだが身柄を確保できないという。彼らは今どこで何をしているのだろうか。また、韓国に入国できなければどうなるのだろうか。

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