最初から片道切符だった。宇宙飛行に初めて行った犬、ライカにまつわる10の悲劇 (2/7ページ)

カラパイア

・9. 死ぬことは分かっていた


[画像を見る]

 アリビーナとは違い、ライカが生きて戻ることはなかった。スプートニク2号には再突入のための装備が備わっていなかったからだ。

 開発者は彼女が生きて帰れぬことを知っていた。ライカは地球軌道に数日間滞在し、餌に入れられていた薬で安楽死させられる予定だった。

 ソ連国外ではこのミッションについて非難が巻き起こった。特にイギリスでは反対運動が起こったほどだ。デイリーミラー紙には、「犬は死ぬ。我々には助ける術がない」という見出しが掲げられた。英国動物虐待防止協会はソ連大使館に抗議するよう人々に呼びかけた。毎日午前11時に沈黙するという抗議活動も行われた。

 ソ連政府はなぜこれほど批判を浴びるのか理解しなかった。抗議への返答として出された声明の中で、「ロシア人は犬を愛している」と述べている。「これは虐待を目的とするものではなく、人類の利益のためである」と。

 しかしライカはミッションの残酷さゆえに選ばれたのかもしれない。いくつかの筋によると、最初に選ばれたのはアリビーナだったが、可愛がられていたために外された。彼女はすでに役割を果たしていたからだ。そしてライカが宇宙に送られ、アリビーナは生き延びた。・8.その理由は、宇宙船の開発を急いだこと


[画像を見る]

 ライカの死は避けられないことだった。だが本来の計画では生きて帰るはずだったのだ。ソ連は生存に必要なあらゆる装備を備え、無事に帰還させると喧伝(けんでん)していた。

 それが変更されたのはフルシチョフのせいだ。当時ソ連の第4代最高指導者だったフルシチョフはライカの宇宙旅行をプロパガンダの一環と捉えていた。
「最初から片道切符だった。宇宙飛行に初めて行った犬、ライカにまつわる10の悲劇」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る